BugSenseは、次回紹介するチャットツール「HipChat」や、「GitHub」「JIRA」「Pivotal Tracker」といったITS/BTS、プロジェクト管理サービスと連携させることができます。
これらのアカウントとリンクさせると、クラッシュ数が規定値以上になったら自動的に課題として登録するなどが可能です。
ここまで、クラッシュリポートについて1つのリポートを対象に取り扱ってきました。BugSenseでは、これらのクラッシュリポートの統計データをさまざまな形式で表示できます。ということで、クラッシュリポートの統計を分析していきましょう。
統計情報は上部メニューの「Insights」タブをクリックすると表示されます。
この画面には、次のような統計データが表示されます。いずれのデータもアプリの品質を高める上で重要な手掛かりになるので、ぜひとも活用していきましょう。
ユーザーへのクラッシュの影響度を確認できます。「Unique Users」では、DAU(1日のユーザー数)とクラッシュの影響を受けたユーザー数を日ごとに比較できます。「Sessions」では、全てのセッション数と全てのクラッシュ数を日ごとに比較できます。
ここ最近で特に重要と考えられるエラーを確認できます。「Trending Errors」では、最近の7日間のうちによく発生したエラーを降順で表示できます。「Top Errors」では、最近の7日間のうちによく発生した未解決のエラーを降順で表示できます。
イベントの発生数を確認できます。BugSenseでは、下記のようなコードを任意の場所で実装することにより、アプリ内でのある特定のイベントをリポートとして送信できます。
[BugSenseController sendCustomEventWithTag:@"カスタムイベント名"];
アプリのバージョンの利用率を確認できます。
「Popular App Versions」では、最もよく使われているバージョンがどのバージョンなのか確認できると同時に、そのバージョンが全体の何%を占めているか確認できます。
「Latest App Versions」では、最新のバージョンが全体の何%を占めているか確認できます。この項目の情報は、例えばあるクラッシュを解決してバージョンアップを行った場合、全体のうちどのくらいのユーザーに行き届いているか確認するときなどに活用できます。
アプリが利用されているOSのバージョンの利用率を確認できます。「Popular OS Versions」では、最もよく使われているOSバージョンがどのバージョンなのか確認できると同時に、そのOSバージョンが全体の何%を占めているか確認できます。「Latest OS Versions」では、最新のOSバージョンが全体の何%を占めているか確認できます。
アプリを最も利用しているデバイスの種類を確認できます。「Most Used Devices」では、最も利用されているデバイスの種類と総セッション数を確認できます。「Most Affected Devices」では、最もクラッシュ回数の多いデバイスの種類と総クラッシュ数を確認できます。この項目を確認することで、クラッシュが発生しやすいデバイスの種類を特定できます。
アプリのリリースバージョンの品質スコアが表示されます。このスコアは、クラッシュ数やクラッシュ率、エンゲージメント、パフォーマンス、クラッシュの影響度などのようなデータを元に計算されます。この項目を確認することで、ユーザーの満足度を把握できます。
新しいユーザーの総数と既存ユーザーの総数を比較できます。この項目を確認することで、ユーザーのリピート率を確認できます。
クラッシュ率とユーザーへの影響率の平均を確認できます。クラッシュ率に関しては日ごとのクラッシュ率がグラフで表示されるので、クラッシュ率の推移を一目で確認できます。アプリのクラッシュがどの程度発生しているか、またユーザーにどのくらい影響しているか、簡単に把握できます。
次回は本連載の最終回です。今回のコラムでも軽く触れた、HipChatなどのようなチャットツール/サービスとJenkinsを連携させ、チーム開発をより効率的に行う方法について解説する予定です。ぜひご期待ください。
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