アベイラビリティゾーン(AZ)と呼ばれる複数のデータセンターを利用することで、冗長構成を簡単に組むことができます。
これまでの物理環境では、物理的にデータセンターを分けて冗長化を行いたい場合、複数のデータセンターのラックを借りて、そこにサーバーなどを導入、インストールなどを行う必要があり、かなり手間がかかりました。
Amazon Web Services(AWS)のAmazon EC2は、アベイラビリティゾーン(AZ)と呼ばれる複数のデータセンターを利用することができ、簡単に複数のAZを利用した冗長構成を組むことが可能になります。
アベイラビリティゾーンとは、AWSの各リージョンに存在するデータセンターです。各リージョンには複数のアベイラビリティゾーンが存在しており、それぞれにAmazon EC2などを配置することで、地理冗長化を簡単に行うことができます。
アベイラビリティゾーンは、お互いに影響を受けないように、地理、電源、ネットワーク的に分離されています。また、各アベイラビリティゾーンは高速専用線で接続されています。
Amazon EC2を複数のZoneに設置するのは簡単です。EC2インスタンス起動時に、以下のようにZoneを選ぶ項目があり、WebサーバーなどをそれぞれのZoneにLaunchすることで、簡単に地理的に離れたデータセンター間に複数のサーバーを構築できます。
Elastic Load Balancer(ELB)では、Amazon EC2インスタンスへの負荷分散を行うことができます。これにより、複数アベイラビリティゾーンのAmazon EC2インスタンスへ負荷分散を行うことができます。
ELBを作成する際に、以下のように「Selected Subnet」に複数Zoneのサブネットを割り当てることで設定ができます。
また、作成済みのELBは、以下からサブネットの追加、変更が可能です。
これにより、片方のAWSのデータセンターが万が一機能しなくなった状態になったとしても、サービスを継続することができます。
EC2で複数のアベイラビリティゾーンを使うことで、物理環境では簡単には実現できなかった、複数拠点での冗長化構成を簡単に作成することができます。
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