トレンドマイクロは2015年3月25日、企業向けの事業戦略説明会を開催した。2015年はこれまでの「3C戦略」の延長線上で、新たにいくつかのサービスを提供する。その目的は。
トレンドマイクロは2015年3月25日、企業向けの事業戦略説明会を開催した。同社代表取締役社長兼CEOのエバ・チェン氏、取締役副社長の大三川彰彦氏が、2015年における日本での事業戦略を説明した。
エバ・チェン氏はまず、トレンドマイクロの3C戦略「ユーザー保護の徹底」(Complete User Protection)「カスタムディフェンス」「クラウド&データセンターセキュリティ」を引き続き推し進めることをアピールした。
この中でエバ・チェン氏は、それぞれの市場に成長見込みがあることを述べ、ユーザー保護の徹底に対してはさらに販売を拡大すること、カスタムディフェンス、クラウド&データセンターセキュリティに対しては既存顧客へ新たな商材提案を行うことでビジネスを拡大するとした。
トレンドマイクロにおける海外での導入事例では、同社の「Trend Micro Deep Security」の導入をきっかけとして、他のソリューションが追加で導入される流れができているという。エバ・チェン氏は「企業がトレンドマイクロ製品の“C”を複数導入すると、更新率も15%ほど高くなることが分かっている。この三つのCが一体化したとき、トレンドマイクロの優位性が発揮される」と述べた。
続いて登壇したトレンドマイクロ 取締役副社長の大三川彰彦氏は、事業戦略に合わせ複数の新ソリューションを提供すると述べる。ユーザーの保護を徹底するという点においては、日本において2年間で5.5倍の成長を遂げたマイクロソフトのクラウドサービス「Office 365」向けのセキュリティソリューションをリリースすると発表した。
このOffice 365向けのソリューションは既存の「Trend Micro Hosted Email Security」や、新たにリリースする「Trend Micro Cloud App Security」(仮称)、「Trend Micro Cloud App Encryption」(仮称)を組み合わせたもの。Office 365で利用できるExchange Online、SharePoint Online、OneDrive for BusinessををAPI経由で監視し、クラウドベースのサンドボックスを介してマルウエアなどの脅威を検知できるとしている。デモにおいては、iPadに保存されていたマルウエアが混入したOfficeファイルをOneDriveにアップロードした場合、検知が行われ削除されるとともに、管理者への通知が行われる動作を見ることができた。
また、カスタムディフェンスにおいても、標的型攻撃をはじめとする「自社にカスタマイズされた脅威」へのソリューションが強化される。通常、シグネチャを利用したマルウエア検知には検体を収集する必要があるが、センシティブな情報を扱う企業ではその検体すらも外部に出せない場合がある。このような企業に対してトレンドマイクロは、カスタムシグネチャを自社内に閉じた機器のみで作成するソリューションを提供することで、インシデントへの迅速な対応が可能となると述べる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.