ここまでVSとWebブラウザーのみでVS Onlineを紹介したが、ブラウザーはもちろんIE以外にもFirefox、Chrome、Safariをサポートしている。IEのバージョンが9以降、という制限があるだけで、Firefox、Chrome、Safariに関しては最新版をサポートという簡単な制限があるだけだ。
同様に、Eclipseもサポートしている。Team Explorer EverywhereというプラグインをEclipseにインストールすれば、EclipseからでもTeam Explorerでのアクセスが可能になる。また、Git-TFなどのコマンドラインツール、Xamarin Studio、本稿では触れないがXcodeからもVS Onlineは利用可能だ。
以下はTeam Explorer Everywhereを使用して、VS Onlineに接続し、ソース管理エクスプローラーを表示した状態のEclipse IDEである。なお、Gitのチームプロジェクトの場合、標準のGitプラグインを使用してアクセスすればよいので、Team Explorerは不要だ。
EclipseへのTeam Explorer Everywhereのインストールについては以下のURLを参照されたい。
コマンドラインでVS Onlineと連携したい場合、Git-TFというマイクロソフトからリリースされているオープンソースのコマンドラインツールがある。ローカルではGitでバージョン管理を行っているプロジェクトを、VS Online上の「TFVC」チームプロジェクトに対してプッシュ(チェックイン)したり、変更を取得(フェッチ/プル)したりするのにこのツールを使える。また、実行にはJavaのランタイムも必要だ。詳細は前述のリンクを参照されたい。
Git-TFではMicrosoftアカウントを使用できないため、VS Onlineで外部認証用のアカウントを設定する必要がある。
コントロールパネルの右上にある自分のアカウントをクリックしてメニューから[My profile]をクリックするとプロフィール画面が表示される。この[CREDENTIALS]タブで外部認証用のアカウント設定を行う。
[CREDENTIALS]タブをクリックしてMicrosoftアカウントに対する別名のIDとパスワードを入力する。[Save changes]ボタンをクリックすれば、登録した別名アカウントで外部ツールでの認証が可能になる。以下に、Git-TFを使って、TFVCチームプロジェクトの内容をローカルリポジトリにクローンしている画面を示す。
展開したGit-TFのフォルダーを環境変数PATHに追加すれば、サポートされているGitのコマンドが使用可能になる。類似のツールとしてはgit-tfsもあり、活発に開発が続けられているようなので、興味のある方はそちらも参照されたい。
.NET Frameworkを使用したクロスプラットフォームモバイル開発でも多く使用されているXamarinの開発環境であるXamarin StudioからもVS Onlineに接続することが可能だ。
Xamarin Studioのメニューバーから[Version Control]−[チェックアウト]を選択する。これにより[リポジトリの選択]ダイアログが表示される。
[リポジトリの選択]ダイアログが表示されたら、チームプロジェクトをWebブラウザーで開いたときのURLを指定すればよい。URLを指定すれば必要な項目は自動的に設定される。ターゲットディレクトリのみ必要に応じて変更すればよい。
既存のプロジェクトであっても、ソリューションをXamarin Studioで開いてから、ソリューションを右クリックして、バージョン管理からチェックアウトを実行すればよい。
いかがだっただろうか? 前回と今回では、VS OnlineでGitとTFVCの両方でチームプロジェクトを作成し、簡単に最初のコミットと差分を追加するところまでの流れを紹介した。Gitに関していえば、これはGit本来の使い方ではなく、最初の一歩のコミットの方法であるとして理解してほしい。
次回はよりGitらしいブランチの使い方の紹介とTFVCでのブランチの紹介を行う。
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