オブジェクトのStaticにチェックを入れると、自動的に反射光が設定される。「Scene」上に配置した「Cube」「Plane」「Plane 1」の「Inspector」から、「Static」にチェックを付ける(図20)。
図20で「Plane」「Plane 1」にも「Static」にチェックを入れると、後ろの「Cube(壁)」に「Plane(床)」の色が反射して映る(図21)。この反射光は、「Directional Light」の「Inspector」内の「Bounce Intensity」の値の設定で強弱が決まる。「1」の値が一番適しているだろう。
この反射光は「Static」を付けていない動的なオブジェクトには反映されない。よって、「Robot Kyle」の「Static」にチェックを付けても、これは静的なオブジェクトではないので、反射光は当たらない。
次に、「Hierarchy」の「Main Camera」を調整して、正面から画面が「Camera Preview」内に映るように設定する。この設定には「トランスフォームツール」の「回転ツール」や「移動ツール」を使用する必要がある。
実行すると、動画6のようになる。
赤い床から、青い床に「Robot Kyle」が移動すると、「Robot Kyle」の身体の色が、床の色に同調して、少し変わっているようには見えるのだが、それは目の錯覚だ。動的なオブジェクトに反射光を設定する方法は別にあるのだ。
動的なオブジェクト、この場合は「Robot Kyle」に反射光を設定するには、どうすればいいのだろうか。その方法を最後に解説しよう。
まず、「Hierarchy」から「Robot Kyle」を選択し、メニューの「Component」→「Rendering」→「Light Probe Group」と選択する(図22)。
すると「Robot Kyle」の「Inspector」に「Light Probe Group」が追加される(図23)。
「Add Probe」ボタンをクリックして「Light Probe」を追加する(図24)。
では、これで動かしてみよう。
動画6と見比べてほしい。動画7の方が、床の反射光が微かに「Robot Kyle」に当たっているのが分かるだろうか。
今回は、これで終わりだ。「Render Texture」を使用すると、コンサートなどで使用される、「大画面にミュージシャンを投影させて、遠くの観客に見えるようにする」といったような処理が実現できる。読者の皆さんのいろいろな発想で、ぜひ独創性のある作品を作っていただきたい。
次回は、いろいろな画面処理効果を付けられるImage Effectを取り上げるので、お楽しみに。
薬師寺国安事務所代表。Visual Basicプログラミングと、マイクロソフト系の技術をテーマとした、書籍や記事の執筆を行う。
1950年生まれ。事務系のサラリーマンだった40歳から趣味でプログラミングを始め、1996年より独学でActiveXに取り組む。
1997年に薬師寺聖とコラボレーション・ユニット「PROJECT KySS」を結成。
2003年よりフリーになり、PROJECT KySSの活動に本格的に参加。.NETやRIAに関する書籍や記事を多数執筆する傍ら、受託案件のプログラミングも手掛ける。
Windows Phoneアプリ開発を経て、現在はWindowsストアアプリを多数公開中。
Microsoft MVP for Development Platforms - Client App Dev (Oct 2003-Sep 2012)。
Microsoft MVP for Development Platforms - Windows Phone Development(Oct 2012-Sep 2013)。
Microsoft MVP for Development Platforms - Client Development(Oct 2013-Sep 2014)。
Microsoft MVP for Development Platforms-Windows Platform Development (Oct 2014-Sep 2015)。
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