2015年7月1日には、Twitterなどでサイバー攻撃への関与をアピールしていた「0chiaki」という男性が、技術評論社のWebサイトに不正アクセスを行った容疑で逮捕されていたことが判明しました。「0chiaki」はこれまでに、企業などのサーバーに侵入して個人情報を盗み出したり、殺害予告を行うTwitterスパムやランサムウエアをばらまいたりなどしていたということです。
出版社のサイトを改ざん 不正アクセス疑いで17歳少年逮捕(ITmedia ニュース)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1507/01/news098.html
彼が公表していた攻撃の内容から、逮捕は当たり前だという反応が大半でしたが、それ以上にTLで疑問に思われていたのは、どのようにして証拠が押さえられたのかということでした。「0chiaki」は「Tails」という暗号化OSを使い、他人の無線LANを経由してインターネットにアクセスしてから、「Tor」を使用して攻撃するという足跡を残さない方法を用いていることが知られていたため、普通の捜査では証拠をつかめないのではないかと考えられていたのです。
これについては、「実は『0chiaki』は2年前に逮捕された別名の攻撃者と同一人物で、以前逮捕された時の情報から警察に居所を知られており、そこに物理的に踏み込まれて証拠を押収されたのではないか」という考察がありました。TLではこの説に納得するユーザーが多かったようです。インターネット上の居場所は隠せても、実際の居場所は隠せなかったということでしょうか。
なおこの「0chiaki」、若者なのではないかとうわさされていましたが、実際に17歳だったことが明らかになり、青年の攻撃技術の高さに驚くツイートがありました。一方、実際には買ってきたプログラムを書き換えただけで、大した技術ではないという指摘もありました。
また、技術のある17歳の青年を悪い方向に進ませないためにはどうすればいいのかを考えるツイートや、まだ17歳で、攻撃が与える影響についてよく分かっていなかったのではないかという意見もありました。
これに関連して「素人ハッカー」という単語が作られ、誰でも簡単に攻撃を仕掛けることができるようになっている現状が語られることになりました。他人の作ったツールを流用するだけのスクリプトキディだとバカにする人がいる一方で、攻撃を実行できているのは事実なのだから、軽く見てはいけないという意見もありました。
以下は、逮捕前の「0chiaki」のツイート。
この他にも、2015年7月のセキュリティクラスターは以下のような話題で盛り上がっていました。8月はどのようなことが起きるのでしょうね。
山本洋介山
猫と一緒に自宅の警備をする傍ら、「twitterセキュリティネタまとめ」というブログを日々更新しているtwitterウォッチャー。セキュリティやネットワークに関する原稿も書いています。
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