阿部川 現在35カ国にオフィスを展開されていますが、APAC(アジア太平洋地域)でビジネスを行う上で他と異なることはありましたか?
サリバン氏 私もアシュもデビッドも、アジアは大好きな地域であり、ビジネスの観点でも非常に注目しています。
究極的には、世界のどの地域でも顧客が抱える問題はおおむね同じと考えていいと思います。どの地域の方々も、データベースやSQLサーバー、バックアップなどについて問題を抱えています。問題へのアプローチや提供の方法は、地域によって多少異なりますが、IT技術は比較的グローバルに適応できるものです。
阿部川 急激な成長を続けながら、企業文化を維持するのはなかなか難しいことではないですか?
サリバン氏 良いご質問ですね。わが社は、長い間一緒に仕事をしてきた信頼できるパートナーと共に起業し、小さな会社を大きくしてきました。その経験から、企業が成長するためには、三つの大切なことがあると私は思います。
第一は、組織がしっかりしたミッションを持つことです。そしてそれを全ての従業員が理解し実践することが必要ですから、コミュニケーションがとても重要になります。
第二は、適切な場所に適切なリーダーがいることです。組織の機能に基づいたものであれ、国や地域に基づいたものであれ、しっかりしたリーダーがいれば、組織のメッセージが社員にしっかり伝わり、それによって成功を目指して皆が努力し、ミッションを達成できると思います。
第三には、トレーニングや製品開発などさまざまな局面において、リーダー管理者が焦点を絞った活動を行うことです。
わが社の良いところは、組織の多くのメンバーが長い間一緒に仕事をしてきた者同士であり、非常に成熟した人間関係をメンバー同士が持っていることです。管理者層でも、従業員層でも同様です。
皆が強い情熱を持って、業務を遂行しています。私たちは「企業文化はこうあるべきだ」などと定義し強制してきたつもりはありません。メンバーの皆が、自然にミッションの達成に向かって、高い生産性を発揮するようになってきたのです。
阿部川 最後に、エンジニア読者にメッセージをお願いします。
テクノロジで独自のポジションを築き、優位性のあるサービスを世界に提供する。サリバンさんの語り口には、顧客企業の最重要インフラをデータの仮想化で担っているという、強烈なプライドが感じられた。
9人兄弟の末っ子だというサリバンさん。おそらく末っ子として愛情いっぱいに育ちつつ、兄弟たちと切磋琢磨(せっさたくま)してきたのだろう。その経験から、他者から学ぶことや、自我を抑制して協同することを身に付けてきたのではないか、と感じた。
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