羽渕彰博(以降 ハブチン) お久しぶりです。2014年のサマーキャンプ以来ですね。
佐藤敦也さん(以降 佐藤) お久しぶりです。今回はチューターとして教える側に回れて、うれしいです。でも高校生のみんなを見ていると、自分も開発したくなってしまいますね(笑)。
ハブチン プログラミングは、もともと好きだったのですか?
佐藤 いえ。実は子どものころは、ものすごい機械音痴でした。高校に入るまでは、PCもあまり使ったことがなくて、学校の授業では、プログラミングするというよりは、コードを丸暗記してその場を凌ごうとしていました。
ハブチン そうなんだ(笑)。それなのになぜプログラミングが好きになったのですか?
佐藤 きっかけはiPhoneのゲームでしょうか。ゲームで遊んでいて、自分でも作ってみたくなったんです。いきなりiOSアプリは難しかったので、まずは試しにエクセルのVBA(マクロ)でプログラミングして、リバーシを作りました。それが高校2年生の冬くらいでした。
ハブチン 実際に作ってみてどうでしたか?
佐藤 すっごく楽しかったです! それからは1日に3000行くらい書いて、気が付いたら深夜になっていたり。
ハブチン 目覚めたわけだ(笑)。
佐藤 3年生になっても、受験生なのにずっとプログラミングしていました。そんなときにサマーキャンプのことを知って、高校2年生が参加する研修でしたけれど、そんなのお構いなしに応募しました。
ハブチン 確かに、参加者20人中3年生は2人だけでしたものね。
佐藤 勢いよく申し込んだものの、2人だけだったのはさすがに僕も焦りました。他は全員2年生だったので「本当に友だちができるのか。もし3日間、1人で浮いてしまったら、ちょっとつらいなぁ」と思いました。
ハブチン でも、全然問題なく打ち解けていましたよね?
佐藤 アイデアワークショップで、同じアプリを作りたい人たちでチームを組んだので、自然に打ち解けられました。
ハブチン そこで生まれたのが、「ハブチンぽっちゃん」ですね。僕(ハブチン)を川に突き落としてストレス発散するゲーム。
岐阜県から「岐阜県の地域活性化に関するテーマでアプリを考えてください」と言われていたのに、岐阜とは全く関係ないアプリだったので、最初にアイデアを聞いたときは、さすがに焦りましたよ。
佐藤 すごくふざけて考えました(笑)。ハブチンさんが「キャンプまで来て、優等生にならなくていい、バカでも大歓迎」と言ってくれたので、自分たちが面白いと思うことを追求できました。
ただ、一番ふざけたアイデアを考えた分、開発は一番頑張ろうと思いました。メンバーに「プログラミング」「デザイン」「素材収集」など担当を割り振って、開発に当たりました。
そのときに、コミュニケーションや人間関係を大切にすれば、何でもできることを学び、自分一人で開発しようとすると開発力は限られてしまうけれど、いろんな人の話を聞いたり議論したりする中で、アイデアがカタチになっていくことを体験しました。
ハブチン アイデア段階では焦りしか感じなかったのだけれど、アプリとしてカタチになったのを見たとき、感動して言葉に詰まってしまいました。アプリを特定の人にフォーカスして作るという発想が斬新でしたし、何よりメンバーが楽しそうでした。僕はあらためて確信しました、「バカ大歓迎」だって(笑)。
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