Macを活用する際に設定しておいた方がよい項目をいくつか紹介する。Macを購入したら、まずこれらの設定を行ってしまおう。Windows PCから移行した際の違和感を軽減できる。
MacBook Airを使い始めて1年以上が経った。長年のWindowsユーザーとして違和感の少ない設定に変更してみたり、いくつかのツールをインストールしたりして、使いやすくしてみた。本来のMacユーザーとしては邪道なのかもしれないが、本連載の最終回としてWindows PCからMacBook Airに移行する際に設定しておくとよい項目について取り上げる。
本題に入る前に、原稿執筆時点のOS X(以下、Mac OS Xと記す)の最新バージョン「El Capitan(エルキャピタン)」について取り上げておこう。掲示板などでは、不具合が生じたと報告しているユーザーもいるようだが、あまり深く使い込んでいないためか筆者の環境では特に不都合はない。
見た目などは前バージョンのYosemiteからほとんど変わらず、OSをバージョンアップしても戸惑うことはなさそうだ。「Split View」と呼ぶ2つのアプリケーションウィンドウを左右に並べる機能や、新しい4つの日本語フォントの追加、Spotlightによる株価や交通機関の検索表示などの改善が行われているということだ(El Capitanの新機能については、アップルの「OS X - 新機能」参照のこと)。
日本語版では、日本語フォントの追加とともに、日本語入力システムに逐次変換機能が追加されている点に注目が集まっている。ひらがなを入力するのとほぼ同時に、自動的に漢字などに変換されるようになった。ただ筆者は、短い単語ごとに変換して確定する入力法に慣れており、この新しい逐次変換に違和感があり、いまだに使いこなせていない。Google日本語入力システムに戻した方が効率よく入力できそうだと感じている。
さて、本題のMac OS Xで設定しておくとよいと感じた項目について解説していこう。
Windows PCとMacBook Airの両方を使っていると、[Ctrl]/[control]キーと[Caps Lock]/[caps]キーの配置が逆になっており、押し間違ってしまいがちだ。そこで、MacBook Air側のキー配置を入れ替えて、[control]キーを[caps]キーに、[caps]キーを[control]キーにしよう。
[システム環境設定]−[キーボード]を開き、[キーボード]タブの下側にある[修飾キー]ボタンをクリックする。[caps]キーや[control]キーなどの修飾キーの機能を割り当てるためのダイアログが開くので、ここで[control]キーと[caps]キーの機能を入れ替えると、Windows PCの106キーボードと同様、キーボードの左下のキー(MacBook Airでは[caps]キーの位置)を[control]キーに変更できる。
筆者は、日本語入力システムの半角英数字への変換などに[control]キーとの組み合わせによるショートカットを多用しているため、この変更でWindows PCとのキー配置の違和感を軽減できた。MacBook AirとWindows PCの両方にGoogle日本語入力をインストールすると、さらにWindows PCとの日本語入力における差を狭めることができるだろう。
Mac OS Xを使っていると、ファイルパスを意識する必要性をそれほど感じないものの、ネットワークドライブにアクセスする場合にファイルパスが分かると、上位のフォルダーへの移動などが楽になる。
設定方法は、Finderを起動し、メニューバーの[表示]−[パスバーを表示]を選択すると、Finderの右側ペインの下側にファイルパスが表示される。
Windows OSと同様、Mac OS Xもデフォルトではファイルの拡張子が非表示となっている。同じファイル名で拡張子が異なるファイルを開こうとしてしまうなど、拡張子が表示されていないと不便なことも多い。やはりMac OS Xでも、拡張子を表示するようにしておいた方がよい。
Finderを起動し、[Finder]−[環境設定]メニューを選択し、[Finder環境設定]ダイアログの[詳細]タブで 「すべてのファイル名拡張子を表示」にチェックを入れれば、Finderでファイル名に拡張子が表示されるようになる。
この設定をしても拡張子が表示されないファイルがあったら、そのファイルを選択してからFinderのツールバーの歯車アイコンをクリックして[情報を見る]を選び、表示されたウィンドウで「名前と拡張子」−[拡張子を隠す]のチェックをオフにすればよい。
セキュリティのためには、スリープからの復帰時にもパスワードを入力するようにしておいた方がよい。とはいえ、スリープからの復帰の際にいちいちパスワードを入力するのも面倒だ。セキュリティと利便性のトレードオフになるが、そもそもスリープ状態でMacBook Airを放置しておくことも少ないだろうから、パスワードの入力を省略して利便性を優先するのもよいだろう。
そこで、[システム環境設定]−[セキュリティとプライバシー]を開き、[一般]タブの「スリープとスクリーンセーバの解除にパスワードを要求」のチェックをオフにすればよい。次回からスリープからの復帰後にパスワードが要求されなくなる。
Mac OS Xは、マウスやトラックパッドに右クリックはなく、マウス/トラックパッドのボタンは一つしかない。Mac OS Xでは、右クリックが必要なオペレーションはほとんどなく、ショートカットメニューの表示などが[control]キー+クリックやトラックパッドの「2本指でクリック」で行える(このクリックを「副ボタンクリック」という)。
Windows PCに慣れていると、どうしても右クリックでショートカットメニューを表示したくなってしまう。そこで、デフォルトの「2本指でクリック」から「右下隅をクリック」に変更し、Windows PCのマウスパッドのように右クリックを可能にしておくとよい。
具体的には、[システム環境設定]−[トラックパッド]を開き、[ポイントとクリック]タブの「副ボタンのクリック」にチェックを入れて、プルダウンメニューの[2本指でクリック]から[右下隅をクリック]に変更すればよい。これでトラックパッドの右下隅が右ボタンのように作用するようになる。
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