64ビット版Windows 10 Pro、Enterprise、およびEducationの「クライアントHyper-V」では、2015年11月の機能アップグレードである「バージョン1511(ビルド10586)」から「Nested Virtualization(入れ子構造の仮想化)」がサポートされました。
Nested Virtualizationは、Windows Server 2016の新機能であるコンテナー技術において、クラウド環境でHyper-Vコンテナーをサポートするための重要な要素技術です。
多くのITプロフェッショナルにとっては、Hyper-Vのテストや評価を少ない物理ハードウエアで構築できるところがうれしいでしょう。例えば、1台の物理ハードウエア上で、Hyper-Vホストクラスターを構成したり、Hyper-Vレプリケーションを構成したりして、機能をテストすることができるようになります。
Nested Virtualizationは、競合のハイパーバイザーであるVMware製品では以前から可能でした。現状、Hyper-Vのホスト、ゲストともにビルド10565(ビルド10565はInsider Previewのビルド)以降が必要で、インテルプロセッサーのみで利用可能などの制限はありますが、Hyper-Vでもできるようになったことはうれしいニュースです。
2015年1月、正規版のWindows 7 Service Pack(SP)1およびWindows 8.1を実行している、互換性のあるデバイスに対して、Windows 10への無料アップグレードが期間限定で提供されることが発表されました。
2015年6月から「Windows 10を入手する(Get Windows 10)」アプリを通じて予約受付が開始され、7月末より順次、Windows Updateを通じて予約済みデバイスに対して無料アップグレードが提供されました。マイクロソフトによると、すでに1億台以上のデバイスでWindows 10が動いているそうです。
アップグレードの対象となったユーザーの大部分は、Windows 7またはWindows8/8.1がプリインストールされたPCをそのまま使っていたと思います。Windows Updateを通じたWindows 10の提供は、複雑なアップグレード作業を簡素化してくれますが、運悪く、対処が難しいトラブルに巻き込まれたユーザーも少なからずいるのではないでしょうか。
少々強引なWindows 10への勧誘とアップグレード前後のトラブルの大騒動は、2016年7月末までの無料アップグレード期間中、続きそうです。
念のために言っておきますが、Windows 10は無料のOSではありません。Windows 10の無料アップグレードの提供は、2016年7月29日までの期間限定の特典です。新規にWindows 10を単体で購入する場合、Windows 10 Homeが1万4904円(税込)、Windows 10 Proが2万7864円(同、いずれも2015年12月現在のMicrosoftストアでの価格)です。
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