本連載の2015年の締めくくりとして、2015年のWindowsおよびマイクロソフトに関連する10個の重大ニュースをピックアップしてみました。あくまでも筆者個人の見解です。
2014年春は、Windows XPのサポート終了が一般ユーザーを巻き込む大きなニュースになりましたが、2015年7月15日(日本時間)のWindows Server 2003/2003 R2のサポート終了は、多くの企業(とサーバー管理者)に影響を与えたと思います。
皆さんの会社では、Windows Server 2003ベースのサーバーの移行はもうお済みでしょうか。マイクロソフトの調査によると、サポート終了時点(2015年7月)でも、日本国内で約6万台のWindows Server 2003サーバーが稼働していたと推定されていました。最近、話題になることはほとんどありませんが、その後、残されたサーバーについても移行が進んでいるものと期待しています。
Windows 10は、内部バージョンも「10.0」です。これまでのWindowsには、製品名のバージョンとは異なる“内部バージョン”がありました。Windows Vistaの内部バージョンは「6.0」、Windows 7は「6.1」、Windows 8は「6.2」、Windows 8.1は「6.3」でした。
2014年10月に公開されたWindows 10の最初のプレビュー版の内部バージョンは「6.4」でした。内部バージョンが「10.0」になることは2014年末からうわさされていましたが、2015年1月にリリースされた「Windows 10 Technical Preview ビルド9926」でそれが真実であることが明らかになりました。
Windows 10が正式にリリースされてから半年が経過しようとしていますが、内部バージョンが「10.0」になったことは、運用管理作業をスクリプト化しているITプロフェッショナルや、アプリケーション開発者にとって、少なからず影響があったと思います。例えば、ユーザーエージェントでWebブラウザーの種類やバージョンを判定するようなWebサイトがある場合は、誤判定しないためには修正が必要だったでしょう。
ちなみに、Windows 10では「Internet Explorer」や「Microsoft Edge」のユーザーエージェントも「Mozilla/5.0(Windows NT 10.0)」、リモートデスクトッププロトコル(RDP)のバージョンも「10.0」、インターネットインフォメーションサービス(IIS)のバージョンも「10.0」と、さまざまなコンポーネントのバージョンが「10.0」になりました。
ファイル共有プロトコルの「SMB(Server Message Block)」も「10.0」、といきたいところですが、残念ながらWindows 10のSMBバージョンは「3.1.1」です。
SMB 3.1.1はWindows VistaからSMB2プロトコルに含まれる最新のダイアレクト(「方言」という意味)であり、内部的には16ビットの値「0x0311」で識別されます。プロトコルの仕様上、一気に「SMB 10.0」(0x0A00)に変更できるようなものではないのでしょう。
2015年11月に「November Update」あるいは「TH2(threshold 2)」とも呼ばれるWindows 10の最新ビルドがリリースされましたが、Windows 10の最新バージョンは「バージョン1511(ビルド10586)」で区別されるようになりました。最新の状態に更新されていれば、「ビルド10586.36」(2015年12月22日現在)という区別もあります。Windows 10をどう呼べばよいのか、状況によっては明確にする必要があるので、今後、面倒なことになりそうです。
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