プログラマー、SE(システムエンジニア)、プロジェクトマネジャー――IT業界のさまざまな職業を紹介する本連載。第5回は「ITマーケター」の仕事内容や適正を解説する。
一口に「ITエンジニア」と言っても、その仕事は職種によってさまざまだ。「ITエンジニア職業図鑑」は、「プログラマー」「SE(システムエンジニア)」「プロジェクトマネジャー」などのIT業界に存在するさまざまな職業を取り上げ、仕事内容や必要とされる能力、仕事のやりがいなどを紹介する。IT業界に興味のある学生諸君の職業選択の参考になれば、幸いだ。
前回は「ITセールス」の1週間や人物像を紹介した。今回は、ITセールスが商品を売るための仕組みを考える「ITマーケター」の仕事を解説する。
企業の活動は、大きく次の三つのプロセスに分解できる。ITマーケターは主に1番目の「売るための仕組み・仕掛け作り」に関わる。
1. 商品/サービスを企画し、開発する
2. 顧客に商品/サービスを販売する
3. 顧客に商品/サービスを提供し、顧客のニーズを満たす
市場や顧客の特徴を踏まえて、「どんな商品を」「幾らで」「どこで」「どのように」売るのかという「戦略」を組み立て、売り物として形にし、社内外に宣伝し、販売や自社のブランド向上などにつなげることが、ITマーケターの役割である。
組み立てた戦略を基に、具体的な活動(戦術)が実行され、その結果、自社が収益/ブランド向上などの形で利益を得ると、ITマーケターはやりがいを感じる。時代や市場にマッチし、他社よりも優れた(あるいは他社よりも先行した)戦略であれば、より大きな達成感が得られる。
ただしマーケティングの本質は、自社の利益だけでなく「自社と顧客の間にWin-Win(※)の関係を長く築く仕組み作り」だ。ITセールス同様、「顧客の利益や満足が、結果として自社の利益につながること」こそが、大きなやりがいになる。
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