プログラマー、SE(システムエンジニア)、プロジェクトマネジャー――IT業界のさまざまな職業を紹介する本連載。第3回は「ITサービスエンジニア」のやりがいや仕事内容を解説する。
一口に「ITエンジニア」と言っても、その仕事は職種によってさまざまだ。「ITエンジニア職業図鑑」は、「プログラマー」「SE(システムエンジニア)」「プロジェクトマネジャー」などのIT業界に存在するさまざまな職業を取り上げ、仕事内容や必要とされる能力、仕事のやりがいなどを紹介する。IT業界に興味のある学生諸君の職業選択の参考になれば、幸いだ。
前回は、経営者の視点で企業のIT戦略を策定する「ITコンサルタント」を紹介した。今回紹介するのは「ITサービスエンジニア」だ。システムリリース後の主役ともいえるITサービスエンジニアは、どのような一週間を過ごしているのだろうか。
システム開発・構築の代表的な方法「ウオーターフォール型開発」は、下図のような流れで進める。
プロジェクトマネジャーや、アプリケーションスペシャリスト、プログラマー、などは主に開発・構築にたずさわるが、ITサービスエンジニアは、保守・運用に必要な設計やテストや引き継ぎなどを除けば、基本的にシステムがリリースされた後の保守・運用にたずさわる。このため「保守運用・監視」と呼称されることもある。
開発・構築はシステムリリースまでの期間限定の仕事であるが、保守・運用はシステム提供後の仕事となるため、長期間にわたる場合が多い。
ITサービスエンジニアは、2つの職種に分けられる。
ITサービス管理者(マネジャー)
ITサービス管理者(マネジャー)は、システムの保守・運用の全体的な管理を行う。保守・運用の「計画(保守・運用業務の環境や業務のやり方の設計、シフト作成など)」をはじめ、保守・運用が円滑に行われているかの「管理(指示、監督など)」や「問題・課題への対応」「改善検討・改善実施」など、保守・運用に関する幅広い仕事を担う。
ITサービス担当者(オペレーター)
一方、ITサービス担当者(オペレーター)は、担当する領域・役割(例:問い合わせ窓口、監視担当、バックアップ担当)によって分かれることが多い。「ヘルプデスク」や「テクニカルサポート(オフサイトサポート)」と呼ばれる領域もここに含まれる。いずれの役割も最大の目的は「システムが安定的・継続的に稼働し続けること」である。「縁の下の力持ち」とIT業界でよく言われるゆえんである。
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