プログラマ、SE(システムエンジニア)、プロジェクトマネジャー――IT業界のさまざまな職業を紹介する本連載。第6回は「フィールドエンジニア」のやりがいや仕事内容を解説する。
一口に「ITエンジニア」と言っても、その仕事は職種によってさまざまだ。「ITエンジニア職業図鑑」は、「プログラマ」「SE(システムエンジニア)」「プロジェクトマネジャー」などのIT業界に存在するさまざまな職業を取り上げ、仕事内容や必要とされる能力、仕事のやりがいなどを紹介する。IT業界に興味のある学生諸君の職業選択の参考になれば、幸いだ。
前回は、ビジネス戦略の仕掛けを作る「ITマーケター」を紹介した。今回は、顧客先で活躍する「フィールドエンジニア」を解説する。
フィールドエンジニアは、その名の通り、フィールド(現場)で活躍する技術職だ。現場、特に顧客先に出向いての仕事が多い。
現場に近い立場で対応するため、顧客(利用者、管理者)から「相談できる技術対応の顔」として頼りにされる。
仕事内容は「導入時」と「導入後」の2つに分かれる。導入時対応は、基本的に計画に沿って作業を行う。
1 顧客(利用者、管理者)からの問い合わせや依頼対応
2 ITサービスエンジニアからの連絡(エスカレーション)対応
3 定期的(予定、計画されている)保守や点検
導入後の対応は、大きくは上記の3つに分かれる。「3」の「定期的保守や点検」は、導入前同様、計画的(あらかじめ、時期ややることが決まっている)である。
一方、「1」の「顧客からの問い合わせや依頼対応」や「2」の「ITサービスエンジニアからの連絡対応」は不定期に発生する。
そのため、急に多くの問い合わせや依頼が来ても対応できるよう、組織的に体制を整えていることが多い。「24時間365日対応」のサービスを提供する場合は、シフト体制を組んで取り組む。
フィールドエンジニアが対応するのは、基本的には自社が導入したハードウェアやソフトウェアだ。これらに故障や障害が発生したら、影響を最低限に抑え、最短で復旧する。
ただし対応に使える時間は限られる。復旧が長引けば、顧客の業務やビジネスが停止し、二次的・三次的な影響が生じる可能性があるからだ。
なお、導入後対応するフィールドエンジニアは、「カスタマーエンジニア」や「カスタマーサービスエンジニア」「テクニカルサポート(オンサイトサポート)」などと呼ばれる場合もある。
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