本連載では、この他に「Toradex Windows IoT Core スターターキット(以下、Toradex)」も併用する。
Toradexは、グラフィックスアクセラレータである「NVIDIA Tegra 3」と、最大1.4GHz動作のクアッドコアCortex-A9、1GBメモリを搭載した「Colibri T30 1GB」とIrisキャリアボードを組み合わせたボードコンピュータだ。DirectXでのハードウェアアクセラレータを使えるため、グラフィックス性能がRaspberry Piシリーズより高いのが特徴である。筆者はサンプル版を99ドル(約1万1200円)で購入した。
3Dグラフィックス性能はRaspberry Pi 3より高く、ある程度の3D描画ならばストレスなく動作するほどだ。例えば、Unity 5.3で作成した“ユニティちゃん”をキーボードで操作するプロジェクトをUWPに書き出して、Toradexに配置してみたところ、問題なく動作できた(詳しくは、次回以降に解説する)。本連載では、UWPとUnityをより活用するために、グラフィックス性能が高いToradexも併用しながら展開することにした。
Toradexには容量4GBのeMMCストレージが内蔵されており、プロジェクトはここに配置する。4GBではちょっと少ないが、それならばどうするかのTipsなども次回以降で説明する予定だ。
Toradexとは下記の機器を用意して接続する。前述したRaspberry Pi 3と多くは共用できるが、ディスプレイ出力がDVI端子なので少し注意してほしい。なお、電源はキットに付属している。
Toradexは、Windows 10 IoT Coreがインストール済みだ。起動画面も、Toradexのロゴがある以外は、前述したRaspberry Pi 3と変わらない。
今回はプロローグとして、検証機に使うRaspberry Pi 3とToradexのハードウェアとしての機能や特徴を確認し、Windows 10 IoT Coreの環境を用意した。
次回から、「UWPに書き出したUnity 5.3のプロジェクトを、Raspberry Pi 2/Toradex上で動作させる」などを試す「実践編」に入ろう。併せて、「Raspberry Pi 2のWindows 10 IoT Coreにプロジェクトを配置する場合に、配置エラーが発生した場合の解決法」などのTipsも紹介する予定だ。お楽しみに。
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