IT業界に就職したら“ナウい”働き方できますか?――テレワーク、在宅勤務、フレックス就活のトリセツ(9)(2/3 ページ)

» 2016年07月25日 05時00分 公開
[中村昭典@IT]

テレワークの普及度合い

 テレワークはジワジワと浸透している。

 総務省の調査によると、在宅勤務など会社以外で働くことを認めるテレワークを導入する企業は、調査企業全体に占める割合は2000年末時点で2.0%だったが、2014年末には11.5%になった。

 中でも興味深いのが、資本金50億円以上の大手企業では、テレワークの導入率が50.9%に達し、半数を超えているという点だ。

 これは、テレワークがトライアル導入の時期を過ぎ、既に本格導入期に入ってきたことを示している。実施企業は情報漏えいといったセキュリティ対策などにフォーカスを移してきており、今後も導入を図る企業は増えていきそうだ。

テレワーク導入企業例「トヨタ自動車」

 つい最近、大きなニュースが新聞紙面を賑わせた。トヨタ自動車が全ての総合職社員2万5000人を対象に、在宅勤務を導入するというのだ。

ほぼすべての総合職社員を対象とした在宅勤務制度を8月にも導入する。週1日、2時間だけ出社すれば、それ以外は自宅など社外で働ける。多様な働き方を認め、男性の育児や女性の活躍を後押しする。親の介護による離職も防ぐ

対象は一般に総合職と呼ばれる社員で、トヨタでは人事や経理、営業に携わる事務職と、開発などを担当する技術職。トヨタ本体の社員約7万2000人(3月時点)のうち、約3分の1にあたる2万5000人程度

情報漏洩対策では、データを外部のサーバで集中管理して端末に残さないクラウドの仕組みを使ったPCを大量導入し、紛失時のリスクを減らす

トヨタ、総合職に在宅勤務 8月めど2万5000人対象(出典:2016年6月9日日本経済新聞電子版)

 同社は対象を限定して導入実験を繰り返しており、その成果と課題を検証して本格導入に踏み切ったようだ。こうした実例は、在宅勤務の導入にプラスの効果をもたらすだろう。

テレワーク導入企業例「日本ヒューレット・パッカード」

 IT企業の“ナウい”働き方の導入の先がけは、2007年に日本ヒューレット・パッカードが導入した「フレックスワークプレイス制度」だろう。

 1カ月のうち数日間、1日の就業の全部または一部を、自宅で就業することを認める制度で、対象を基本「全職種」としているのが大きな特徴だ。

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