ゼロからイチを生み出す仕事をしたい。エンドユーザーのために働きたい――やりたいことに忠実に生きるために、グロースハッカー前田さんは、自身のキャリアもグロースハックしていた。
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今回より始まる「プロエンジニアインタビュー」は、IT業界で活躍中の「プロとしての気概を持って働くエンジニア=プロエンジニア」たちに、自身のキャリアやエンジニアとして心掛けていることなどを聞くインタビュー集だ。今後のキャリアに迷いや不安を持っている、新たな可能性を模索しているエンジニアたちの参考になれば幸いだ。
今回ご登場いただくのは、「Growth Hack Studio(グロースハックスタジオ)」でエンジニア兼コンサルタントを務める前田洋平さん。顧客のサービスやプロダクトの成長を支える仕事をする前田さんに自身の“グロースハック”について聞いた。
2015年4月に設立されたグロースハックスタジオでエンジニア兼コンサルタントとして働く前田洋平さん(29歳)。グロースハックスタジオは、新規事業に取り組む企業にグロースハックをサービスとして提供する企業だ。前田さんはコアメンバー4人のうちの1人として、主にデータ分析や可視化を中心としたプロダクトマネジメントを担当している。
グロースハックというと、思い通りに進まない事業から欠点や長所を探し出し、そこに手を入れることで加速度的な成長サイクルを生み出す魔法のようなテクニックを想像しがちだ。グロースハッカーの真骨頂もそうした“銀の弾丸”をどう撃ち込むかにあるように思える。だが、実際はかなり違うようだ。
「どんなサービスでも『こうすれば必ずうまくいく』という方法はありませんよね。さまざまな試行錯誤を行って、そのサービスに合った成長の方法を探っていくことが大切です。その意味では、サービスを成長させるのは唯一の方法は、正しいブロダクトマネジメントなんです」
前田さんの考える「正しいプロダクトマネジメント」とは、「サービス改善のためのPDCAサイクルを回し続けること」だ。具体的には、「エンドユーザーは何を求めているのか」「筋の良い仮説は何か」「素晴らしい発想によるプランかどうか」「データベースは正しく設計されているか」といったさまざまな要素を考えながら、全体として大きな流れを作り出す手助けをしていく。実際には地味で、だからこそ地力が問われる分野なのだ。
「今の仕事は、代表取締役兼共同経営者の広岡が行ったビジネスサイドからの分析に対して、ボクがエンジニアとしてデータを分析したり、KPIモニタリングのビジュアライズなどを行ったりしてサポートすることです。プロダクトのコードを書くよりは、プロダクトをどう成長曲線に乗せるのかについてプロダクトマネジャーを補佐する。スプレッドシートやGoogleアナリティクスの結果を見てミーティングすることがメインになる日も多いですね」
顧客は大手企業が中心だ。今や企業のサービス展開にはスマートフォンやWebの知識が欠かせない。ただ、サービスを開発する企業側にそれらの知識が十分にあるわけではない。かといって、スマートフォンやWebのアプリを開発する企業では、サービスやビジネスを成長させるノウハウを提供しているわけでもない。そこで、顧問先企業と開発パートナーの間に入って、プロダクトの持続的な成長をコントロールしていくわけだ。
「いったん組み上がったプロダクトをあえてしっちゃかめっちゃかにして再び組み上げるような楽しさと難しさがあります。エンジニアとして最新のWeb技術に常に触れながら、実際のビジネスの現場で経験を積み上げていけるのが大きな魅力ですね」
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