本連載は、「Microsoft SQL Server」で発生するトラブルを「どんな方法で」「どのように」解決していくか、正しい対処のためのノウハウを紹介します。今回は「DATABASE_MIRRORINGに由来したトランザクションログ関連トラブルの対処方法」を解説します。
本連載では、「Microsoft SQL Server(以下、SQL Server)」で発生するトラブルについて、「なぜ起こったか」の理由とともに具体的な対処方法を紹介していきます。
「Windows Server 2012 R2」上に「SQL Server 2016 RTM」をインストールした環境を想定して解説します。
トラブルの実例:データベースミラーリング(*1)を構築している環境で、ミラーリングサーバにハードウェア障害が発生した。
初期調査の結果、プリンシパルサーバのトランザクションログが肥大化していることも判明した。sys.databasesからトランザクションログが再利用されない原因を確認したところ、log_reuse_waitの値は「5」で、log_reuse_wait_descの値は「DATABASE_MIRRORING」と表示された(図21-1)。
データベースミラーリングとは、前回解説した可用性グループと同様に、SQL Serverの可用性を高めるための機能の1つです。本機能は、SQL Server 2005から実装されています。トランザクションログレコードを配信する機能によって、複製(ミラーリング)されたスタンバイサーバ環境を準備できます。
Log_reuse_wait_descの「DATABASE_MIRRORING」ステータスは、ミラーリングが構築された環境で、トランザクションログレコードの配信が完了していない状態を示します。さらに、「SQL Server Management Studio」から「データベースミラーリングモニター」を起動して状況を確認したところ、ミラーリングはやはり「切断」されていました(図21-2)。
データベースミラーリングも、トラブル 20で取り上げた可用性グループと同じく、「トランザクションログバックアップ」と「データベースミラーリングとしてデータが同期される」の条件がそろわなければ、ログの再利用ができません。トラブル 20と同じく、「トランザクションログを切り捨てない状態」が続いたことが、今回、トランザクションログが肥大化した原因です。
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