ヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパンが2016年下半期の求人件数の動向を基にした、2017年の国内転職市場で求人が増えると思われる5つの職業を発表。IoTやAI、ロボット、データサイエンティストなどの職種の求人が増えるという。
専門人材紹介サービスを手掛けるヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパンが、2016年下半期の求人件数の動向を踏まえた、2017年の国内転職市場で求人が増えると想定される5つの職業/業種を発表した。
それによると、日本では2016年末現在、技術進化の速度に人材のスキルが追い付いていない状況が憂慮されるという。同社が世界33カ国で実施した労働の需給効率調査「グローバルスキルインデックス」では、日本企業が求めるスキルと人材が持つスキルの隔たりを示す「人材ミスマッチ」の値は、世界最悪レベルになっているという。
これを踏まえ、2017年の国内転職市場で求人が増えると想定される職業/業種として以下の5つを挙げている。
バイリンガルのカスタマーサポートは、2020年東京五輪の開催を見据えて求人が増えるとされる。例えば、旅行や観光業界などで求人が大幅に増える見通しだ。
IoT技術者は、同社では「インダストリアル・インターネット技術者」と定義。ITと産業分野のOT(運用技術)を融合した環境を整え、ビッグデータ解析/分析によってビジネス知見を得る職種として、産業機械に関する運用知識とデータサイエンティスト、双方のスキルが求められる。求人数が急増するものの、必要なスキルを持つ人材が極端に少ない「人材ミスマッチ」の代表格に挙げられる。
AIとロボット工学の技術者については、グローバル企業が欧米の本社と歩調を合わせて開発を進めるために、各国で人材を確保する動きが加速すると予測される。エンジニアや研究者の需要が急増すると見込まれている。
自動運転関連の技術者は、事業転換が急速に進んでいる自動車業界での人材争奪戦が激しくなるとされる。
データサイエンティストは、企業が蓄積する膨大なデータを解析し、経営に必要な情報を分析することで、「ビジネス知見」を発見するための専門家と定義される。多くの企業がビッグデータの活用を進めているが、次の段階として、具体的な効果を求めはじめている。ただしデータサイエンティストは、統計学、コンピュータサイエンス、ビジネススキルなどの幅広いスキルにおいて極めて高いレベルが要求される。求められるが人材が少ない、「人材ミスマッチ」の傾向が深刻という。ヘイズでは、この傾向は2017年も続くと予測としている。
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