スモールスタートでIoTサービスを開発可能 ヤフーのIoTプラットフォーム「myThings Developers」で何ができるのか開発者向けにAPI利用料徴収の仕組みも用意

ヤフーが、企業間のWebサービスや製品をつなげるIoTプラットフォーム「myThings Developers」の正式版を開始。企業や個人の開発者が開発したAPIをmyThings Developersで公開し、そのAPIを利用したユーザーから利用料を徴収する仕組みも用意した。

» 2017年04月26日 10時00分 公開
[@IT]

 ヤフーは2017年4月25日、WebサービスやIoT(Internet of Things)関連デバイスをつなげるIoTプラットフォーム「myThings Developers」の正式版サービスを開始した。

photo myThings Developers」のサイト

 クラウドやモバイルの普及に伴い、産業製品や業務用途だけでなく、スマートロックやコミュニケーションロボットといった個人向けに至るまで、IoTを軸にした新たな製品やサービスが登場し始めてきている。myThings Developersは、こうしたIoT製品と他社のWebサービスを連携させる役割を担う。同社は、「1つ1つのサービスやIoT製品だけでは、多様化する生活者のニーズに応えることは難しくなっている。それらを連携して活用できるようにするのが『myThings Developers』だ。自社だけの規格に閉じることなく、さまざまなIoT製品やWebサービスをシームレスに連携できるようにする」とその意図を述べている。

 正式版の開始とともに、「Yahoo!天気(気象情報)」「LINE(SNS)」「Akerun(スマートロックシステム)」など、40以上のチャンネル(機能、サービス)と連携するAPI(Application Programming Interface)を商用利用できるようにした。また、APIを開発、提供する企業や個人開発者に向けて、API利用料の徴収を代行する仕組みも用意した。

photo 各業種向けのサービス活用イメージ

 あらためてmyThings Developersは、「自社のプロダクトやサービスと他社の製品やWebサービスを簡単につなげること」を主な機能に据えるサービスとなる。例えば、「自社プロダクトのあるボタンを押すと、他社ECサイトのカートに入れる」といったことを実現できる。このボタンを押すきっかけの行為を「トリガー」と呼ぶが、ボタンを押す以外に、鍵を開けたとき、特定のハッシュタグ付き写真が投稿されたときなど、myThings Developersに登録されているチャンネルそれぞれに用意された「あること」をトリガーにできる。トリガーが発生したときに実行する処理を「アクション」と呼ぶ。アクションは、連携先WebサービスのURLやデバイスに対してPOSTリクエストを発行して実現する。他社製品やサービス間でデータを連携できるAPIを、比較的容易に入手できるマーケットプレース的な役割を果たすのがポイントといえる。

photo 40以上のチャンネルが用意され、それぞれに使用できる「トリガー」と「アクション」のAPIを利用できるようになる

 利用プランは「トライアル」と「ビジネス」の2種類を用意する。トライアルプランは、商用利用はできないが、利用料金は無料。作成可能なサービスは3つまで、サービスごとの最大ユーザーは100までとする制限がある。ビジネスプランは、作成可能サービス数やサービスごとの最大ユーザー数に制限がなく、商用利用ができる。有料チャンネルも利用でき、テクニカルサポートも受けられる。ビジネスプランの基本料金は、1万ユーザー(Yahoo! JAPAN IDの数で換算されるサービスの実利用者数)未満は無料。1万ユーザー以上は1ユーザー当たり50円/月(税別)。

photo 利用料金とプラン

特別企画:IoT アーキテクチャカタログ

グローバルでデジタルトランスフォーメーションが進む中、国内でもIoTに取り組む企業が急速に増加している。だが成功事例が着実に増えつつある半面、大方の企業にとってIoTはまだ高いハードルであるようだ。特別企画「IoT アーキテクチャカタログ」ではそうした国内企業の実態を基に、ハードルを乗り越え実践に乗り出すための情報を包括的に提供していく。




Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。