Windowsストアでは2017年後半までに、人気アプリケーションをさらに追加していく。
まず、アップルの「iTunes」が2017年末までにWindowsストアで提供される予定。Windowsユーザーは、Apple MusicとiTunes Storeを含むiTunes機能をストアアプリ経由で利用できるようになる。また、iPhoneなどのiOSデバイスも、Windows 10およびWindows 10 S搭載PC上でサポートされるようになる。
この他、米オートデスクや独SAPなどがWindowsストアアプリの開発を推進する。例えばオートデスクがWindowsストアアプリ版として2016年夏にリリースした、ペイントとドローツール「SketchBook」は、2017年平均35%の成長率を維持し、同社で特に成長したプラットフォームとなったという。今後オートデスクは、3Dゲームエンジンとリアルタイムレンダリングのソフトウェア「Autodesk Stingray」にWindows MRを取り込む予定としており、SAPも「SAP Digital Boardroom」のWindowsストアアプリ開発を進めていくという。
マイクロソフトは、WindowsとVisual Studioをあらゆる開発者にとって最適な環境にする方針を打ち出している。Windows PCやWindowsアプリケーションだけでなく、開発者があらゆるプラットフォームとデバイスを対象にできる開発環境を提供するというものだ。
Build 2017では、以下の開発者向けツールが発表された。
2017年後半に「.NET Standard 2.0 for UWP」と「XAML Standard」をリリースする。Web、C++、.NET、Windowsストアアプリ開発者に向け、Windows上でのマルチプラットフォーム開発作業を支援する。プラットフォームの垣根をなくす「Project Rome」も推進する。Build 2017では、UWP、Androidに加え、iOSのサポートも発表。開発者はモダンなコードによってWindowsとMicrosoft Graphを活用できるようになる。
Windows PCからiOSアプリの構築、テスト、デバッグを行える「Xamarin Live Player」も提供する。開発者はVisual StudioとiPhoneがあれば、iOSネイティブアプリの構築が可能になる。
この他、Linuxディストリビューションの「Ubuntu」をWindowsストアから提供する。Linuxディストリビューションは、「SUSE Linux」と「Fedora Linux」とも協業し、「Windows Subsystem for Linux」としてWindowsストアで提供することも発表した。2017年5月現在、WindowsはWindowsアプリとLinuxアプリを並べて実行できる唯一のプラットフォームであると述べている。
Windows 10 Fall Creators Updateでは、MR機能の強化が一層推進される。マイクロソフトは、この新しいコンピューティングフロンティアの構築のために開発者と協力し、あらゆる開発者にWindows MRを入手してほしいと考えている。例えば米国とカナダでは、Acer製(299ドル/約3万4000円)、HP製(329ドル/約3万7000円)の「Windows MR Headset Developer Edition」をMicrosoft Storeから予約可能になった。出荷開始は2017年夏、他国向けにも順次計画中としている。
さらにマイクロソフトは、マーカーを不要とするWindows MRモーションコントローラーも発表した。2017年5月時点で世界初という。同製品はWindows MRヘッドセットのセンサーを使って、従来より正確でレスポンシブな視界内のトラッキングが行える。この新技術搭載MRモーションコントローラーは、デバイスパートナーが2017年のホリディシーズン(年末)の一般販売を目指して開発中という。
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