連載
» 2017年06月02日 05時00分 公開

私はグローバル市民Go AbekawaのGo Global!〜Sandra Pereira編(3/3 ページ)

[取材・文:阿部川久広(Go Abekawa), 構成:土肥可名子,@IT]
前のページへ 1|2|3       

ゴールを見据えよ、そして楽しめ!

阿部川 ペレイラさんがいつも心に留めていらっしゃることをお聞かせください。

ペレイラ氏 「今やっている仕事を心から楽しむ」ということですね。

 従業員がハッピーであれば良い仕事をしますし、それは企業全体の良いパフォーマンスにつながります。仕事を楽しむこと、または楽しめることを仕事にすることが大切です。

 ただ忘れてはいけないのは、満足は自分だけでできることではなく、「自分も誰かの満足を構成する一部分である」ということです。

 自分の満足は自分の中だけで終わるものではなく、より高い次元で他の人や組織とつながっている。なぜ自分がこの会社にいるのか、自分はこの仕事にどうしたら貢献できるのか。自分が毎日ベストを尽くすことが、実は勤務する企業の成功にも直結していると意識することが大切だと思います。

阿部川 日本では、エンジニアはとても大変なのに将来がなかなか見えない。つまりキャリアを発展させにくい仕事だと言われてます。グローバルレベルで見れば確かに多くのチャンスがありますが、そのチャンスに行き着くまでには、非常にキツイ経験を経なければならないと。

 日本のエンジニアが楽しく仕事をするには、あるいはグローバルなレベルで仕事をするためには、何が1番大切だと考えますか?

ペレイラ氏 「あなた自身の人生のゴールを設定すること」でしょうか。エンジニアの皆さんにはぜひ、キャリアの明確なゴールを思い描いていただきたいと思います。経験すること、学ぶこと全てに対して心を開いて接すること。常にゴールを思い描き、そこにどうやったらたどり着けるか考えることを忘れないでください。

 あなたのゴールはあなたが設定するもの。他人が設定できるはずがありませんし、いわんや達成したかどうかなど誰も分かりません。

 あなたは2017年の年末に何ができていればハッピーですか? 昇進なのか、昇格なのか、あるいはプロジェクト達成への貢献なのか。短期のゴールがあればモチベーションにもつながるでしょう。

 またその達成度をどうやって計るのかを明確にしておくことも大切です。そこがはっきりしていないと正しい経過をたどっているかどうか分かりませんから。

 私は、全ての人が人生やキャリアのゴールを持つべきだと思います。

 「会社」そのものが好きなのであれば、その組織に所属することを目的にすればいいでしょうし、何かやりたいことがあって、それが「できるようになること」が目的であり、今の会社ではそれができないということであれば、会社を辞める選択肢もあっていいと思いますよ。

阿部川 欧米に比べ、日本では転職そのものがさまざまな意味でまだまだハードルが高いのですが、それでも転職はした方が良いでしょうか?

ペレイラ氏 私の経歴を見ていただくのが1番の答えですが(笑)、もちろん必ずしも会社を離れることはないと思いますよ。

 大手企業であればさまざまな部署があるでしょう。他の部署や支店に異動できれば新しいことに挑戦できるでしょうし、それまでの自分とは違った能力を発揮できるでしょうから。

 長く働いていれば、困難な仕事や、能力の限界を超えるような仕事に必ず出会うものです。それが能力を伸ばしてくれることもありますし、そもそも仕事というものは一から十まで全てが楽しめるものではありません。

 仕事の中のほんの少しの時間でもいいから自分がしっかり入り込めるような部分があれば、人は学ぶことができますし、企業に貢献することもできると思います。そういう仕事であれば、毎朝目覚めたときに「さあ今日も頑張って働こう」という気になりますよ。

従業員にフラストレーションがたまっているのにマネジメントが知らなかったり、予想していた結果を出していないことに年度末になってようやく気が付いたりするのは、組織にとっても個人にとっても大きな損失です。(私だったら)上司が私の仕事の結果を気に入らなければ、落ち込みますし傷つきます。そのような環境で働きたくないと思います。むしろ、そのような状況が好きな人などいないでしょう(日本語訳付き)

Go's think aloud〜インタビューを終えて

 ペレイラさんとお会いしたとき、「ヨーロッパ女性のエレガンス」という言葉が、真っ先に頭をよぎった。インタビュー会場に彼女が入って来ただけで、まわりが暖かく、華やいだ雰囲気に変わる。この人間力こそ、多くの人材を育ててきた証左だろうか。

 質問をじっくりうなずきながら聞き、少し間をおいたと思うと機関銃のように話しだす。話すことがあり過ぎるようで、もどかしげに、しかし情熱的に話し込む姿勢は、世界中でマネジメントを経験し、文化、年齢、性別の違う中で結果を出してきた人の、実績と自信に溢れていた。

 「究極的には仕事は人がするもの」「生産性を上げる鍵は、機械化や合理化も大事だか、最終的には人が持てる能力を最大に出せるようにすること。そしてその能力を信じて伸ばすこと」と情熱的に繰り返した。

 キャリアの最初は、医師として「生命」に関わる仕事からスタートし、今は「人生」に関わる会社のCEOに。しかし彼女のキャリアの核は、ブレることがなかった。

 英語のlifeは「生命」でもあり、「人生」と訳すこともできるから。

阿部川久広(Hisahiro Go Abekawa)

アイティメディア グローバルビジネス担当シニアヴァイスプレジデント兼エグゼクティブプロデューサー、ライター、リポーター

コンサルタントを経て、アップル、ディズニーなどでマーケティングの要職を歴任。大学在学時より通訳、翻訳なども行い、CNNニュースキャスターを2年間務めた。現在は英語やコミュニケーション、プレゼンテーションのトレーナーとして講座、講演を行うほか、作家として執筆、翻訳も行っている。

編集部より

「Go Global!」では、インタビューを受けてくださる方を募集しています。海外に本社を持つ法人のCEOやCTOなどマネジメントの方が来日される際は、ぜひご一報ください。取材の確約はいたしかねますが、インタビュー候補として検討させていただきます。

ご連絡はこちらまで

@IT自分戦略研究所 Facebook@IT自分戦略研究所 Twitter電子メール


前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。