日本ヒューレット・パッカードが2017年6月15日にハイパーコンバージドインフラ「HPE SimpliVity 380」を発表した。専用のアクセラレーターカードによって、常時重複排除とデータ圧縮ができるという。
日本ヒューレット・パッカードは2017年6月15日に重複排除とデータ圧縮を常時実行できるハイパーコンバージドインフラ(HCI)「HPE SimpliVity 380」(以下、SimpliVity 380)を発表した。同製品は、Hewlett Packard Enterpriseが2017年1月に発表したSimpliVityの買収を受け、SimpliVityの技術が搭載されたもの。同日より提供を開始する。
SimpliVity 380は、サーバ仮想化プラットフォーム「VMware vSphere」が搭載され、HPE Hyper Convergedファミリーの1つとして位置付けられる。同製品は、サーバとストレージが統合されているだけではなく、ストレージ高速化装置やバックアップ装置、BCP/DRソフトウェアなども標準で搭載されている。またFPGAベースの専用アクセラレーターカードによって、データ容量の削減とバックアップ/リストアの高速化を実現しているという。
「SimpliVity 380の特徴は、重複排除とデータ圧縮を常に使うことができる点だ。従来のHCIは、重複排除やデータ圧縮を行うとストレージ処理がボトルネックになり、パフォーマンスが劣化してしまう。そのため本番環境では、機能を妥協しなければいけなかった」と話すのは、日本ヒューレット・パッカードのデータセンター・ハイブリッドクラウド事業統括 DCHC製品統括本部 サーバー製品本部で本部長を務める中井大士氏だ。その問題を解決したのが、専用のアクセラレーターカードだという。
「アクセラレーターカードによって重複排除とデータ圧縮を常時行うことが可能になるだけではなく、I/O性能の劣化やCPUのオーバーヘッドを回避することもできる」
さらに重複排除とデータ圧縮により保存するデータが小さくなるため、データ移動が容易になり、素早いバックアップとリストアを実現できる。「SimpliVity 380は、1TBのVMをわずか60秒でバックアップが可能だ。しかも本番環境に影響を与えることもない。そのため、10分に1回バックアップを取得するといったポリシーも設定できるし、夜中にバックアップ処理を走らせるという作業自体を変える可能性がある」
SimpliVity 380は、最小2ノードから使え、最大32ノードで構成できる。1ノードのスペックと価格は下記の通りだ。なおVMware vSphereのライセンスは別料金となっている。
小規模向けオールフラッシュモデル | 中規模向けオールフラッシュモデル | 大規模向けオールフラッシュモデル | |
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CPU | Intel Xeon E5-2620v4 2.10GHz | ||
メモリ | 256GB | ||
ディスク | 1.92TB SSD×5 | 1.92TB SSD×9 | 1.92TB SSD×12 |
ネットワーク | HP Ethernet 10Gb 2P 560FLR-SFP+NIC | ||
Must Option | LSI Controller | ||
ソフトウェア | HPE OminiStack SW | ||
定価(税別) | 677万7000円 | 769万7000円 | 837万7000円 |
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