最後に、音を出す機能について解説しておこう。
chibi:bitではスピーカーと接続して音楽を奏でることができる。その方法について解説する。
まず必要なものは、ワニロクリップだ。これはAmazonなどでも安く販売している。もう1つはスピーカーだが、筆者は、大昔に使って、ここ十数年使っていなかったスピーカーを使用した。最近なら、100円程度でも売っているので、それを購入してもいいだろう。
chibi:bitをワニロクリップでスピーカーのジャックと接続すると、図20、図21のようになる。chibi:bit側の赤いワニロクリップは「0」、黒いワニロクリップは「GND」と接続している。
次に、プログラムを作っていこう。これも先に動画を見せておこう。
まず、これまで紹介してきたのと同様に、新しいプロジェクトを作成し「題名未設定」の箇所に「music」と入力して、「フロッピーのアイコン」をクリック。いつものフォルダに名前を付けて保存する。
「入力」カテゴリー内の「ボタンAが押されたとき」をクリックして、スクリプトエリアに配置する。次に、「音楽」カテゴリー内にある「テンポを設定する120」を持ってきて、「ボタンAが押されたとき」に合体させる(図22)。
次に、同じく「音Middle Cを1▼拍 拍の間鳴らす」を合体させる。「Middle C」の部分をクリックすると、ピアノの鍵盤が表示される。最初は「ド」の音が選択されている(図23)。
この鍵盤で音階を設定し、1拍の「1」の横の▼をクリックすると拍数の選択ができるので、それも設定する(図24)。
このブロックをマウスの右クリックから「複製」して、1つ1つ音階と拍数を設定していく。
今回作るメロディーは、筆者の記憶の中に音符として残っているものの一部分で、残念ながらタイトルを思い出すことができない。音符の読める方は、自分の知っている曲を、音符を見ながら設定していくといいだろう。
筆者が記憶している音階を設定すると、図25のようになる。1小節が終わると、「基本」カテゴリーから「一時停止(ミリ)100」を合体させ、「100」の位置に「計算」カテゴリーから「0」を持ってきて入れ込む。入れ込んだ後、数値を「1000ミリ(1秒)」にしておく。途中までは図25のようになっている。全体のブロックは画面に収まり切れないので、掲載は割愛させていただく。
図25のようなブロックを組むと、chibi:bitのエミュレーターにも図26のように表示されて、音を確認できるのかと思っていたのだが、音は出なかった。図26は、スピーカーとchibi:bitをこのように接続せよ、という表示なのかもしれない。
実際に音楽を鳴らしたのは動画5だ。
本企画では、スイッチサイエンスの、「chibi:bit」を紹介したが、いかがだっただろうか。
前編の冒頭でも述べたが、YouTubeやニコニコ動画などの動画で「chibi:bit」を検索すると、モーターを回したり、おもちゃのリモコンにしたり、方位磁石にしたりするなど、さまざまな応用例を見ることができる。本稿が、夏休みの子どもの自由研究などに役立ちつつ、プログラミングを始めるきっかけになれば幸いだ。
また、これも前編の冒頭で述べたが、作成したプログラムはJavaScriptのコードで見ることができる。コードの一部を変えたらどうなるのかなどを試して、JavaScriptのプログラミングを始めてみるのもお勧めしたい。JavaScriptについては、下記連載を参照してみてはいかがだろうか。
PROJECT KySS 薬師寺 国安(やくしじ くにやす)
1950年生まれ。フリーVBプログラマー。高級婦人服メーカーの事務職に在職中、趣味でVBやActiveXに取り組み、記事を執筆。2003年よりフリー。.NETやRIAに関する執筆多数。Windowsストアアプリも多数公開中(約270本)。
Microsoft MVP for Development Platforms - Client App Dev (Oct 2003-Sep 2012)。
Microsoft MVP for Development Platforms - Windows Phone Development(Oct 2012-Sep 2013)。
Microsoft MVP for Development Platforms - Client Development(Oct 2013-Sep 2014)。
PROJECT KySSは、1997年に薬師寺聖と結成したコラボレーション・ユニット
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