本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、ルーティングテーブルを管理する「route」コマンドです。
本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、ルーティングテーブルを管理する「route」コマンドです。
「route」コマンドは、ネットワークの経路情報(ルーティングテーブル)の表示や変更に使うコマンドです。
古くから使われているコマンドですが、現在は「ip」コマンド(連載第146回〜第149回)への移行が進んでいます。
route [オプション]
route [オプション] コマンド ターゲット
※[ ]は省略可能な引数を示しています。
短いオプション | 長いオプション | 意味 |
---|---|---|
-A ファミリー | アドレスファミリーを指定する(inet、inet6、ax25、netrom、ipx、ddp、x25から指定。「-A inet」は「--inet」でも指定可能) | |
-4 | IPv4の情報を表示/操作する(「-A inet」相当、デフォルト) | |
-6 | IPv6の情報を表示/操作する(「-A inet6」相当) | |
-n | --numeric | 名前解決を行わない |
-e | --extend | テーブルの表示にnetstatのフォーマットを使用する |
-ee | 全ての情報を1行で表示する | |
-F | --fib | カーネルが管理しているテーブル(FIB)を表示、操作する(デフォルト) |
-C | --cache | FIBの代わりにキャッシュを表示、操作する |
「route」でルーティングテーブルの内容を表示します(画面1)。ipコマンドの「ip route」に相当します。IPv6のテーブルを表示したい場合は「-A inet6」や「--inet6」「-6」オプションを使用します。
route
(IPv4のルーティングテーブルを表示)(画面1)
route -6
(IPv6のルーティングテーブルを表示)
経路を追加するには、「route add 宛先IPアドレス gw ゲートウェイのIPアドレス dev インタフェース」を実行します(画面2)。インタフェースの指定が最後の場合、「dev」は省略可能です。
経路を削除するにはaddの代わりにdelを指定します。どちらもroot権限が必要です(連載第68回)。
route add 宛先IPアドレス gw ゲートウェイのIPアドレス インタフェース
(インタフェースを指定して経路を追加する)(画面2)
route add 宛先IPアドレス gw ゲートウェイのIPアドレス
(経路を追加する)
route del 宛先IPアドレス gw ゲートウェイのIPアドレス インタフェース
(インタフェースを指定して経路を削除する)
route del 宛先IPアドレス gw ゲートウェイのIPアドレス
(経路を削除する)
特定のネットワークへルーティングしないように設定するには、「reject」を指定します(画面3)。操作にはroot権限が必要です。
route add 宛先IPアドレス gw ゲートウェイのIPアドレス dev インタフェース reject
(インタフェースを指定して拒否経路を追加する)
route add 宛先IPアドレス gw ゲートウェイのIPアドレス reject
(拒否経路を追加する)(画面3)
route del 宛先IPアドレス gw ゲートウェイのIPアドレス dev インタフェース reject
(インタフェースを指定して拒否経路を削除する)
route del 宛先IPアドレス gw ゲートウェイのIPアドレス reject
(拒否経路を削除する)
西村 めぐみ(にしむら めぐみ)
PC-9801NからのDOSユーザー。PC-486DX時代にDOS版UNIX-like toolsを経てLinuxへ。1992年より生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『はじめてでもわかるSQLとデータ設計』『シェルの基本テクニック』など。2011年より、地方自治体の在宅就業支援事業にてPC基礎およびMicrosoft Office関連の教材作成およびeラーニング指導を担当。
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