Gartnerは、2018年以降にIT部門やユーザーに対して長期にわたって大きな変化を与えると同社が考える重要な展望を発表した。新たに登場する技術によって変化する未来への知見を提供する。
Gartnerは2017年10月3日、「Gartner Predicts 2018」を発表した。これは、「2018年以降に長期にわたってIT部門やユーザーに対して大きな変化を与える」と同社が考える展望だ。同社はこの展望によって、エンドユーザー企業のCIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)に対し、新たに登場する技術で変化する未来への知見を提供するとしている。
Gartner Predicts 2018の戦略的展望トップ10は以下の通り。
そのうちのトップ3を紹介する。
Gartnerは、Amazon EchoやGoogle Homeといった音声認識機能を備えた機器への消費者需要は、2021年までに35億ドルを創出すると見込む。こうした機器を利用して、手を使わずにシステムを活用する手法を開発できるブランドは、デジタルコマースの売り上げを高められるという。
ビジュアルや音声による検索を早期採用した企業は、こうした検索方式とスマートフォンから入手できるコンテキスト情報を組み合わせることで、コンバージョン率や売り上げ、新規顧客獲得、市場シェア、顧客満足度の点で評価され、競争優位性を獲得するだろうとGartnerは予測している。
Gartnerは、AlibabaやAmazon.com、Apple、Baidu、Facebook、Google、Microsoft、Tencentといったデジタル分野の大企業の影響力が大きくなり過ぎてしまい、企業が新たに活動するとき、新しい価値のシナリオの創出が難しい状況になるとしている。そしてこれが最終的に自己破壊につながるという。他社に先んじるために意図的に自社を破壊する自己破壊戦略にはリスクが伴うが、何もしないリスクの方が高いこともあり得るとしている。
現在世界で流通している暗号通貨の総額は1550億ドルで、今後も増加し続けるという。暗号通貨は、それを支える技術基盤やビジネス基盤よりも成熟している。Gartnerは、銀行が暗号通貨とデジタル資産を、従来の金融商品と同様に捉えるようになると、より分散されたビジネス価値が生じ始めると予測する。
そのためには、全ての業界が商品とサービスの価格設定や会計、課税方法、決済システム、リスク管理機能といった現在の法定通貨に基づくビジネスモデルを見直して、新たな形態の価値を事業戦略に取り込む必要があると指摘する。
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