Clouderaは2017年11月7日、東京で行われた同社のイベント「Cloudera World Tokyo 2017」で、Microsoftとの提携拡大について発表した。CTOのアマー・アワダラ氏が、PaaS製品のMicrosoft Azure展開を進める狙いについて語った。
Clouderaは2017年11月7日、東京で行われた同社のイベント「Cloudera World Tokyo 2017」で、Microsoftとの提携拡大、中村共喜氏の日本における代表取締役就任を発表した。
Clouderaの創立者兼CTO(最高技術責任者)であるアマー・アワダラ氏は、これまで同社が「Microsoft Azure(以下、Azure)」向けに数々のIaaS製品を発表してきたいきさつに触れてから、「われわれは現在、PaaS製品『Cloudera Altus Data Engineering』のAzure向けβ版を提供している。2018年末までに、全世界規模で、PaaS製品を含む全製品をAzure向けに展開したい」と話した。Clouderaは、Amazon Web Servicesとも提携しているが、「他社とのパートナーシップ構築に、より定評のある」(アワダラ氏)Microsoftとの連携を今後より深める意向だ。
Clouderaは既に、「Cloudera Director」などのIaaS製品を全てAzure向けに展開し終えているが、アワダラ氏は、そうした製品について「どちらかといえばMicrosoftに定着した顧客向け」と語り、PaaS製品の全面的なAzure展開を、IaaSとは全く異なるニーズを持った顧客開拓につなげる狙いを明らかにした。
Microsoft本社でField Marketing strategy WorldWide Cloud & Enterprise OSS Business Leadを務める石坂誠氏は、こうした動きがMicrosoftの指針のみならず、さまざまな企業の開発環境に「大きく貢献するだろう」と話す。
「例えば米国では、広く普及した『Uber』など、リアルタイムで価格情報や位置情報を更新し続けるアプリケーションには、(Clouderaの持つ)HadoopやNoSQLなどの技術が不可欠だ。日本に戻ってくると、そうした技術を使いこなせるエンジニアの少なさにがくぜんとする。日本の企業やエンジニアにはぜひ、こうした技術を使いこなせる環境を活用し、競争力を高めてほしい」(石坂氏)
石坂氏は、MicrosoftのIaaSからPaaSへ移行する企業の多さを指摘した上で、「使いやすいPaaSへのニーズが高い。(Azure向けのCloudera製品について)完全にMicrosoftの管理下で提供することは考えていない。むしろ、Clouderaおよび顧客からのヒアリングを通して、今後徐々に決めていきたい」と話した。
Clouderaは、2017年11月6日付で、日本法人の新たな代表取締役に中村共喜氏が就任したことを発表した。中村氏は、デル・ソフトウェアやクエスト・ソフトウェアで代表取締役を務めた経験に加え、ヴイエムウェアや日本HP、シスコシステムズなどでマーケティングやセールスを率いた経験を持つ。
代表取締役への就任について、中村氏は、「日本の市場ではClouderaを知る機会がまだ少ない。今後メディアなどを通じて情報発信していきたい」と語った。Clouderaの営業部門でアジア太平洋地域および日本担当VPを務めるマーク・ミカレフ氏は、「われわれは、Hadoopなどの技術に精通した人物よりも、幅広い顧客に対してセールスをけん引できる人物を探していた。中村氏はまさにそうしたリーダーシップを備えており、今後にとても期待している」と話した。
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