人気過去連載を電子書籍化して無料ダウンロード提供する@IT eBookシリーズ。第41弾は「情シスに求められる『SRE』という新たな役割」だ。IT活用の在り方がビジネスの差別化要素となっている中で、インフラ運用者にはどのような役割の変革が求められているのか、その具体像をまとめた。
デジタルトランスフォーメーションの進展に伴い、ビジネスは「いかにより良い体験価値を提供するか」というソフトウェアの戦いに変容している。特に市場環境変化の先を見通すことが難しい中では、ニーズの変化をいち早く察知し、スピーディーに開発・改善できることがビジネス差別化の重要なカギを握ることから、アジャイル開発やDevOpsを実践する企業も着実に増えている。
だが問題は、「早く作ること」だけではない。本番環境にデプロイした後、エンドユーザーが快適に使えなければ、サービスやサービスを提供している企業へのロイヤルティ、信頼性は大幅に低下してしまう。安定運用できても、機能や使い勝手、パフォーマンスを改善し続けなければ顧客は離れてしまう。「サーバは動いていてもサービスは止まっている」では意味がない。迅速な開発・改善も重要だが、その後の運用においても「エンドユーザーが快適に使えているか」という観点を一貫して担保することが、ビジネス差別化に不可欠なスタンスとなるのだ。
こうした中、日本国内でも2016年ごろから注目され始めたのが、Googleが提唱した「SRE」――Site Reliability Engineer「サイト信頼性エンジニア」という概念だ。Webサービス企業にとって顧客接点となる「サイトの信頼性向上のために、運用自動化、障害対応、パフォーマンス管理、可用性担保などを通じて、収益・ブランドを支える役割」となる。
本来的には“Webサービス系企業におけるITサービス運用管理の役割”ではあるが、ビジネスゴールを見据えて主体的に運用管理を行うSREの視点、スタンスは、「経営への寄与」が強く求められている情シスの新しい役割、運用管理の在り方を考える上で大いに参考になるはずだ。ぜひダウンロードして“経営に寄与する”ことの具体像をつかむためのヒントとしてほしい。
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