半期チャネルにWindows 10 バージョン1803の機能更新プログラムがやってきた山市良のうぃんどうず日記(132)(2/2 ページ)

» 2018年07月24日 05時00分 公開
[山市良テクニカルライター]
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今は都合が悪いというときは「更新の一時停止」と延期日数の延長で

 “今、このタイミングで時間のかかる機能更新プログラムのインストールはやめてほしい”という場合は、ダウンロードが始まってからでも「詳細オプション」にある「更新の一時停止」をオンにすることで、機能更新プログラムの処理をキャンセルできます(画面5)。残念ながら、この方法はWindows 10 Homeエディションでは利用できません。

画面5 画面5 「更新の一時停止」をオンにすることで、機能更新プログラムのインストールをストップさせることができる

 再びオンにすると、機能更新プログラムのダウンロードとインストールが進みます。注意点は「更新の一時停止」をオン/オフすると、その次のWindows Updateが完了するまで、再びオンにできなくなることです。

 「更新の一時停止」は機能更新プログラムだけでなく、品質更新プログラムもチェックしなくなるため、いつまでもオンの状態にしておくわけにはいきません。

 そこで、「更新の一時停止」をオンにした状態で延期日数をさらに延長し、再び「更新の一時停止」をオフにしてみました。これで新しい延期日数が反映されたようで、機能更新プログラムは検出されずに、更新の確認が完了しました(画面6)。機能更新プログラムのダウンロードとインストールのどの時点までこの方法が使えるのかは分かりませんが、覚えておくと役に立つかもしれません。

画面6 画面6 「更新の一時停止」をオンの状態で延期日数を延長し、オフにすると機能更新プログラムが消えてくれた

Windows 10 バージョン1703の場合の基準日は?

 Windows 10 バージョン1703を実行し、「半期チャネル」で延期設定している場合は少し混乱します。どの日付を基準日にすればよいのでしょうか。Windows 10 バージョン1703の「半期チャネル」向け公開日である「2017年7月27日」ではありません。

 Windows 10 バージョン1703にとって、次バージョンであるWindows 10 バージョン1709の機能更新プログラムの「半期チャネル」向けリリースは「2018年1月18日」です。これが「半期チャネル」の基準日になります。7月18日時点では181日が経過しました。

 「半期チャネル」で「延期日数182日」に設定していると、新しいバージョンの機能更新プログラムは検出されません。「延期日数181日」にしたところ、Windows 10 バージョン1709の機能更新プログラムが検出されました(画面7)。

画面7 画面7 Windows 10 バージョン1703で設定した延期日数を超えたとき、バージョン1709の機能更新プログラムが検出された

 最新のWindows 10 バージョン1803の機能更新プログラムを予期していたのですが、そうではありませんでした。WUfBポリシーが正常に機能していれば、段階的にアップグレードされるようです。なお、過去には、WUfBポリシーの設定を無視して、最新の機能更新プログラムが配布されるという事件が何度かユーザーフォーラムなどで報告されています(筆者も1度経験しました)。

 WUfBポリシーで延期可能な最大の日数は、次バージョンの半期チャネル向け公開日+365日です。しかしながら、Windows 10の各バージョンは「半期チャネル(対象指定)」向けのリリース後18カ月間、品質更新プログラムのサポートが提供されます。2017年4月リリースのWindows 10 バージョン1703は、2018年10月まで品質更新プログラムが提供されますが、サポート終了日には「半期チャネル」で延期可能な日数よりも早く到達することに注意してください(Windows 10 バージョン1607以前は延期可能最大日数が180日で、途中、サポートポリシーの変更もあったので逆のことが起こりました)。

 例えば、Windows 10 バージョン1703は、WUfBポリシーで2019年1月18日(2018年1月18日+365日)まで機能更新を延期できますが、品質更新プログラムのサポートは2018年10月に終了します(EnterpriseおよびEducationは、さらに6カ月間品質更新プログラムを提供)。その段階になると、アップグレードアシスタントなど、別の方法で最新バージョンへのアップグレードが行われる可能性があります。

 基準日からの日数やWUfBで延期可能な最大の日付は、Windows PowerShellの「Get-Date」コマンドレットで簡単に計算できます。参考にしてください。とはいっても、最大延期可能日数は次バージョンの半期チャネル公開日の年を1年足す方が簡単です。

・Windows 10 バージョン1703の半期チャネルの公開日(基準日)から今日までの日数

(Get-Date) - (Get-Date 2018/01/18)

・Windows 10 バージョン1703のWUfBで延期可能な最大日数

(Get-Date 2018/01/18).AddDays(365)

・Windows 10 バージョン1709のWUfBで延期可能な最大日数

(Get-Date 2018/07/10).AddDays(365)

 なお、Windows 10 バージョン1803のWUfBで延期可能な最大日数は、次バージョンがリリースされていないため、現時点では分かりません。また、最初に紹介した「Windows 10のサービスオプションとSAC-Tの終了について」のように、次バージョンでは何か変更があるかもしれません。

筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(Oct 2008 - Sep 2016)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『Windows Server 2016テクノロジ入門−完全版』(日経BP社)。


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