AIは「過去のデータに基づく学習」が得意です。
「過去のデータに基づく学習」とは、「今までのルールによれば、この場合はこうする」「過去のデータによれば、どうやらこれが最適なようだ」といったように、過去のデータに基づく分析や判断、予測をすることです。
例えば、先ほどのチャットのオペレーションのようなやりとりは、「質問に対する回答を、過去のデータベースから検索し、相手に教える」です。「過去のデータのやりとり」なので、AIがもう少し進化すると、置き換えられる危険があります。「データベースから情報を検索する」といった処理は、人間よりも、コンピュータの方が断然早いからです。コンピュータは「人間の仕事を楽にする」ためにあるものですからね。
こうなると、AIの勝利です。
では、AIに仕事を奪われないようにするには、どうすればいいのでしょうか。「コンピュータが苦手で、人間が得意なこと」をすればいいのでしょうか。
よく言われるのは、「機械に負けないスキルを磨け」「人間にしかできない価値を創造せよ」みたいな話です。でも、いずれも抽象的で、具体的に何をすればいいのか困ってしまいますよね。
AIが「過去のデータに基づく学習」が得意なら、ほんの少しだけ「未来」に足を踏み入れれば仕事を奪われないのではないか、と私は思います。
「未来」といっても、それほど難しい話ではありません。
例えば、「この仕事、面倒くさいんだよな。でも、上司が言うんだから仕方ないよな」だと、過去。「この仕事、面倒くさいんだよな。もう少し楽にできないかな」までいくと、未来。
「あっ! ネットに作ろうと思っていたロジックのコードがあった。これ、コピペしよう」だと、過去。「あっ! ネットに作ろうと思っていたロジックのコードがあった。これ、もう少しきれいに書けないかな」までいくと、未来。
「過去のデータベースに解決策はない。仕方がないから謝ろう」だと、過去。「じゃあ、ユーザーからデータを送ってもらって、分析してみよう」までいくと、未来。
未来は、現状に「こうすると、どうかな?」という自分の意思を加えて「ちょっと先」を見に行く連続で創られていくのでは? と思うのです。
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