スクリプトの中に、処理の内容やスクリプトの作成意図などをメモしておくと、後で見たときに分かりやすくなります。このような場合はコメントを使います。
シェルスクリプトの中では「#」記号以降がコメントとなります。コメントは行頭からでも行の途中からでもよく、また、「#」記号を幾つ書いても構いません。
#! /bin/bash ######################################## # コメントのテスト ######################################## echo "Hello!" #1つ目のechoコマンド echo "World." #2つ目のechoコマンド #-- おしまい --#
$ ./hello Hello! World.
「#という文字を表示したい」など、スクリプトの中で「#」という文字を使いたい場合はクオートします。
例えば、以下のスクリプトの3行目「echo "World #."」は、ダブルクオートの中に「#」があるので「#」という文字も含めて表示されますが、4行目の「echo World #.」の場合は「#」以降はコメント扱いとなるので表示されません。
#! /bin/bash echo "Hello!" echo "World #." echo World #.
$ ./hello Hello! World #. ← ダブルクオートの中なので「#」も表示されている World ← 「#」以降はコメント扱いとなり表示されない
スクリプトの中では「#」以降がコメント扱いになることから、「実行したくない行」の先頭に「#」を付けることがあります。これを「コメントアウト」と呼ぶことがあります。
一時的に実行を中止したいコマンドラインなどは、削除ではなく、コメントアウトしておくことで後で再利用したり、動作を確認したりしやすくなります。
#! /bin/bash echo "Hello!" #echo "World."
$ ./hello Hello! (2つ目のechoコマンドは実行されていない)
次回は「変数」の扱いについて解説します。
西村 めぐみ(にしむら めぐみ)
PC-9801NからのDOSユーザー。PC-486DX時代にDOS版UNIX-like toolsを経てLinuxへ。1992年より生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『Accessではじめるデータベース超入門[改訂2版]』『macOSコマンド入門』など。2011年より、地方自治体の在宅就業支援事業にてPC基礎およびMicrosoft Office関連の教材作成およびeラーニング指導を担当。
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