シリコンバレーで20年近くにわたりITエンジニアとして働いてきた「エル氏」が、かの地の魅力、仕事や生活の実情、どうやったら働けるのかなどを等身大でお伝えする連載、いよいよスタートです。SNSに日々の文句を垂れ流しているそこのあなた、そんなに日本が嫌ならシリコンバレーで働きませんか?
こんにちは、エル氏です。ひょんなことから米国に渡り、シリコンバレーの某大手IT企業で20年近くにわたりデバッグしてきた、ごくごく普通のソフトウェアエンジニアです。
本連載は「私がシリコンバレーで働いてきた経験を元に、日本で働くごく普通のITエンジニアがどうしたらシリコンバレーで働けるようになるか」を書いていきます。
第1回は、シリコンバレーで働くことの魅力です。
シリコンバレーの玄関口となるサンフランシスコは、太平洋に面したカリフォルニア州北部にある街です。日本から飛行機で約9時間、真っ赤なゴールデンゲートブリッジ、ケーブルカー、海沿いのシーフードレストラン街、そして全米最大のチャイナタウンもあり、世界中からの観光客でいつもにぎわっています。
サンフランシスコから国道101号線を南へ1時間ほど下ったところにあるサンノゼは、あまり有名な観光地ではありませんが、カリフォルニア州でロサンゼルスに次いで2番目に大きい都市です。シリコンバレーは、その2つの町の間に広がる多くの世界的なIT企業が集中する地域のことです。
シリコンバレーとその周辺にはおよそ500万人の人々が暮らしています。そのうち100万人以上が何らかのIT関連企業で働いているといわれていますから、その比率は東京と比べても桁違いです。
街といえるエリアは実は東京や大阪よりはだいぶ小さく、札幌や福岡とその周辺くらいの大きさです。ちなみにサンノゼ市の姉妹都市はなぜか岡山市です。サンノゼ市内には地下鉄はおろか、日本のような便利な電車はなく、路面電車が数本走っているだけです。ここが本当に最先端の街なのかいぶかしく思うぐらい、のんびりとした風景です。
シリコンバレーには、誰もが知っているGoogle、Apple、Intel、Facebookといった巨大IT企業が本社を置いています、しかしほんの50年ほど前までは、果樹園が広がるのどかな農業地帯だったそうです。それがいつの間にやら世界中からIT企業が集まる街になりました。
ここで働く多くのITエンジニアたちは世界中から集まっており、実に多国籍です。雰囲気でいうと、米国の青春ドラマというよりは、アジアへ向かう飛行機の搭乗待合室ようなゴチャゴチャな感じです。
次ページからは、ITエンジニアがシリコンバレーで働く魅力を列挙しましょう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.