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企業ユーザーに贈るWindows 10への乗り換え案内
「Windows 10」や「Windows Server 2016」以降にはウイルス対策ソフトとして「Microsoft Defender」(旧称、Windows Defender)が標準搭載されており、サードベンダーのウイルス対策ソフトウェアが導入されていない場合は既定で有効化されます。
しかし、Windowsのインストールメディアや機能更新プログラム、イメージ展開用のカスタムイメージにはMicrosoft Defenderの古いバージョンのエンジンや定義が含まれる可能性があり、セットアップ直後の数時間、ネットワーク経由で最新状態に更新されるまでは、最新の脅威に対して十分な保護を提供できない場合があります。「Sysprep(システム準備ツール)」で汎用(はんよう)化した仮想マシンテンプレートのVHDやVHDX(以下、VHD《X》)ファイルを複製して仮想マシンを展開する場合も同様です(画面1、画面2)。
画面1 2020年6月に作成した仮想マシンテンプレートから仮想マシンを展開すると、含まれるMicrosoft Defenderのバージョンは2020年6月時点のもの
画面1 仮想マシンのネットワークをオンラインにして最新状態に更新するまでは、最新の脅威から保護されない状態
そこでMicrosoftは、カスタムイメージを含むWIM(Windows Imaging Format)ファイルや仮想マシンテンプレート、仮想マシンのVHD(X)ファイルに適用可能なMicrosoft Defenderの更新パッケージと展開スクリプトの提供を開始しました。
上記サポート情報からダウンロードできる32bit(x86)および64bit(x64)向け更新パッケージの2020年10月時点のバージョンは「1.1.2009.10」で、プラットフォームバージョン「4.18.2008.9」、エンジンバージョン「1.1.17400.5」、定義バージョン「1.323.2216.0」の更新を含みます。より新しいパッケージが利用可能になれば、上記サポート情報で知ることができるはずです。
この更新パッケージの適用対象は、以下のWindowsがインストールされているWIMイメージ、VHD(X)イメージとされていますが、筆者が確認した限り、半期チャネル(SAC)リリースのWindows Serverにも適用可能です。
- Windows 10 x86/x64
- Windows Server 2016
- Windows Server 2019
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