手元のPCには複数のディスプレイをつないでいるのに、リモートデスクトップに接続すると1台分のサイズでしか表示できない……。実は簡単なオプション指定でリモートデスクトップを複数画面に拡張できる。
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対象:Windows 10
リモートでも効率よく仕事を進めるため、自宅に2台目のディスプレイを導入してデスクトップをどーんと広げてみた。そんな読者諸氏は少なくないと思う。
だが、リモートデスクトップ接続で会社のPCにつないだ場合、そのデスクトップのサイズ(解像度)は、ローカルPCにつないでいるディスプレイの台数に関係なく、デフォルトでいずれかのディスプレイ1台分の大きさに限定されてしまう。せっかくディスプレイを増設したのに、これではもったいない。
実は、ローカルのデスクトップと同様に、リモートデスクトップを複数のディスプレイにまたがって全画面で表示させることができる。それも、ちょっとしたオプション指定で済むのだ。本稿ではWindows 10を対象として、その方法を幾つか紹介しよう。
スタートメニューやショートカットから「リモートデスクトップ接続」アプリを起動している場合、リモートデスクトップを複数画面に拡張するには、まず[オプションの表示]を押して各種オプションのタブを表示させる。次に[画面]タブを選択し、[リモートセッションですべてのモニターを使用する]チェックボックスにチェックを入れて[オン]にする。
他の設定が済んでいれば、これで[接続]ボタンをクリックすると、接続元(ローカル)のPCにつながっている全ディスプレイの全画面(フルスクリーン)にリモートデスクトップが表示されるはずだ。
上記の手順でいったん接続すると、他のオプションと同様、[リモートセッションですべてのモニターを使用する]の設定が保存される。そのため、次回以降の接続では上記設定をしなくても、複数画面に拡張される。
「remotepc01.rdp」というような.RDPファイルを既に作成済みで、それをダブルクリックしてリモートデスクトップ接続をしている場合は、次の行を追加すると複数画面に拡張できる。
use multimon:i:1
既に「use multimon:i:0」という行がある場合は、末尾の「0」を「1」に変えること。
「use multimon:i:1」を設定した場合、リモートデスクトップのサイズ(解像度)はローカルのディスプレイ(画面)全体と同じになる。そのため、「desktopwidth:〜」や「desktopheight:〜」というリモートデスクトップの解像度の指定は無視されるので注意してほしい。
.RDPファイルの設定内容を変えることなく、一時的に複数画面への拡張をしたい場合は、リモートデスクトップ接続アプリの実行ファイルであるmstsc.exeコマンドを、以下のように実行すればよい。
mstsc remotepc01.rdp /multimon
「/multimon」オプションを指定すると、リモートデスクトップが全画面に拡張される。
手元(ローカル)のPCに複数のディスプレイをつないでいるけど、それぞれの解像度が大幅に異なる場合、上記の方法で全画面表示させると、画面が長方形ではない凸凹の激しい形状になる。するとマウスポインターが凸凹にひっかかって移動できないなど、使い勝手が悪くなりがちだ。
そのような場合、複数画面にまたがった大きなウィンドウでリモートデスクトップを表示させてみよう。
ただし、それには前述の.RDPファイルかmstsc.exeのコマンドラインオプションを活用する必要がある。「リモートデスクトップ接続」アプリのUIでは、複数画面にまたがるような解像度を指定できないからだ。
.RDPファイルの場合は、「use multimon:〜」の行を削除するか「0」を指定して無効化しつつ、「desktopwidth:i:<横解像度>」「desktopheight:i:<縦解像度>」をそれぞれ指定する。
use multimon:i:0
desktopwidth:i:4800
desktopheight:i:1200
上記の例だと4800×1200ピクセルのリモートデスクトップがウィンドウに表示される。
コマンドラインの場合は、「/multimon」を付けずに「/w:<横解像度>」「/h:<縦解像度>」をそれぞれ指定する。
mstsc remotepc01.rdp /w:4800 /h:1200
リモートデスクトップのウィンドウをディスプレイ(画面)のどの位置に表示させるか指定する方法については、Tech TIPS「Windowsでリモートデスクトップのウィンドウを特定の位置に表示させる」を参照していただきたい。
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