RDPファイルを利用するとリモートデスクトップ接続をカスタマイズできる。だが、そのウィンドウの表示位置はGUIから設定できない。RDPファイルを直接編集すれば位置を指定できる。
対象ソフトウェア:Windows 7/Windows 8/Windows 8.1/Windows Server 2008 R2/Windows Server 2012/Windows Server 2012 R2
Windows OS標準のリモートデスクトップ接続では、拡張子が.RDPのファイル(RDPファイル)にリモートデスクトップの各種設定を保存しておくことで、それをエクスプローラーでダブルクリックするだけで特定のリモートコンピューターへ素早く接続できる。RDPファイルの作り方については、右上の関連記事を参照していただきたい。
エクスプローラーでRDPファイルを右クリックして[編集]を選ぶと、ログオンユーザー名やデスクトップのサイズといった設定をGUI(ダイアログ)で指定・保存できる。しかし、リモートデスクトップのウィンドウをどの位置に表示するか、という設定はなぜかそのGUIには見当たらない。
このままだと、RDPファイルからリモートデスクトップ接続を始めるたびに、いちいちウィンドウをちょうどよい位置に移動する必要がある。また場合によってはウィンドウのサイズが最大になっておらず、スクロールバーが表示された状態になっていることがある。この場合、やはり接続後にいちいちウィンドウの右下をドラッグして最大サイズにする必要がある。どちらも非常に面倒だ。
そこで本稿では、このリモートデスクトップのウィンドウを特定の位置に、常に指定したサイズで表示させる方法を説明する。
リモートデスクトップのウィンドウを特定の位置に表示させるには、RDPファイルをテキストエディターで開き、「winposstr:」から始まる行を書き換える。「winposstr:」の行が見つからない場合は、最下行にでも追記すればよい。
「winposstr:s:」に続く数値列は、次のように指定する。座標の単位はいずれもピクセル(画素)である。
winposstr:s:0,1,<ウィンドウ左上のX座標>,<ウィンドウ左上のY座標>,<ウィンドウ右下のX座標+1>,<ウィンドウ右下のY座標+1>
ここで注意すべきは、「ウィンドウ」とはクライアントPC(接続元のPC)の画面に表示されるリモートデスクトップのウィンドウを指していることだ。つまり、そこにはウィンドウタイトルやウィンドウ枠も含まれる。一方、上の画面の(1)(2)の「デスクトップ」は、接続先のリモートコンピューターのデスクトップを指していて、ウィンドウ枠などは含まれない。
ちょっと分かりにくいので、以下の画面で「デスクトップ」のサイズや「ウィンドウ」の位置との関係を説明しよう。
(3)〜(6)によるウィンドウ位置の指定は、ウィンドウのサイズをも決定している。そのため、もしデスクトップ(とウィンドウ枠などを足し合わせた)サイズとウィンドウのサイズが食い違っていると、デスクトップ全体が表示されずウィンドウにスクロールバーが表示されたり、デスクトップが縮小されて表示されたりする。
そのため、ウィンドウの位置を指定するには、ウィンドウタイトルやウィンドウ枠の縦横サイズを加味する必要がある。正確なサイズが分からなければ、右下位置の値を少し多めに指定しておけばよい。とはいえ、これらのサイズはWindows OSの種類やデスクトップ表示の設定などによって変動することもあって、計算が面倒なことに変わりはない。
そこでお勧めなのが、リモートデスクトップのデフォルトの設定を保存している「Default.rdp」を利用する方法だ。これはユーザーのドキュメントフォルダー(デフォルトでは「%USERPROFILE%\Documents」)に隠し(不可視属性)ファイルとして保存されていて、スタートメニューあるいはスタート画面から「リモート デスクトップ接続」を起動したときの各種設定の参照・保存に用いられる。
さらに、ウィンドウの位置などを変更して終了すると、Default.rdpに保存される。そこで、以下の手順でウィンドウ位置に関する設定を転記すればよい。
Default.rdpをテキストエディターなどで開くには、エクスプローラーで隠しファイルを表示させる必要がある。それにはエクスプローラーの[ツール]メニューから[フォルダー オプション]を選択して(Windows 8/Windows Server 2012以降では[表示]メニューの[オプション]ボタンをクリックして)、フォルダーオプションのダイアログを表示させる。そして[表示]タブ画面で、[ファイルとフォルダーの表示]−[隠しファイル、隠しフォルダー、および隠しドライブを表示する]を選択する。
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