ピースマインドは、ストレスへの対処行動「ストレスコーピング」が労働者のストレスに与える効果の分析結果を発表した。それによると感情的な発散や消極的な思考はストレス状況の悪化につながり、気分転換や前向き思考はストレス状況の改善に役立つという。
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ピースマインドは2021年5月27日、「ストレスコーピング」が労働者のストレスに与える効果の分析結果を発表した。分析は、同社の企業向けストレスチェックサービス「職場とココロのいきいき調査」のデータを基に、九州大学の教授を務める馬奈木俊介氏とともに実施した。
ストレスコーピングとは人がストレスに対処する行動。心配事があるときに、それを解消するために人に相談したり体を動かして気分を転換したりすることは、ストレスコーピングの一種といえる。
ピースマインドはストレスコーピングを「問題解決」「他社への相談」「前向きな思考」「気分転換」「消極的な思考」「感情的な発散」の6種類の尺度に分類した。同社はこれらの尺度で、ストレス改善に効果的なストレスコーピングを回帰分析によって分析した。
ストレスコーピングが、1年後および2年後のストレスに与える影響を見ると、前向きな思考(前向きに考え、心配し過ぎないようにする)と気分転換(体を動かす時間や趣味の時間を積極的に確保する)の効果が、その他のストレスコーピングよりもストレス軽減効果が大きい。これらは1年後と2年後の両方のストレス状態に効果があることから、ピースマインドは「前向き思考や気分転換は長期的なストレスを低減させる可能性がある」としている。
一方、ストレスを悪化させるストレスコーピングがあることも分かった。感情的な発散(他人に愚痴をこぼしたり、ものに当たったりする)や消極的な思考(対処できないと諦め、問題から距離をとろうとする)は、1年後と2年後のどちらのストレス状態も悪化させていた。これらの対処方法は中長期的なストレス改善にはつながらない。ピースマインドのシミュレーションによると、感情的な発散をするよりも前向きな思考をすることで「高ストレス者」を49%削減できるという。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は人々のストレスにも悪影響を及ぼしている。ピースマインドは「新たな働き方に移行する中で増えてくるストレスにうまく対処することが重要だ」としている。
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