ITSSスキル別の人数と年収をざっくりとグラフにしてみました。
仮に、ITスキル標準レベル5のエンジニアを年収1000万円としました。私がこれまで出会った、レベル5に達しており、ビジネスやプロダクトを開発者としてけん引し、企業を代表する開発者として社外にも名前が認知されているエンジニアは、軒並み年収1000万円を超えていました。
このレベルのエンジニアが年収1000万円なら、世の中的に違和感はないでしょう。読者が気になるポイントは、理想とする昇給額と実際の年収にギャップがあることではないでしょうか。特にレベル2からレベル3の、一人前になったエンジニアやチームリーダークラスのエンジニアは、ギャップを大きく感じるのではないでしょうか?
新卒1年目から3年目の間は先輩から教えてもらうことが多く、もちろん昇給は少なかった。その後やっと独り立ちして自分で仕事を完遂できるようになり、「これで満足のいく給料にアップされるはずだ」と思っていたが、そこまで昇給しなくてガッカリした……という経験がある人は多いはずです。「チームリーダーになっても、役割が増えただけで昇給額に見合わない。だから出世なんかしない方がいい」という記事も、読み飽きるくらい世の中にあふれています。
それはなぜなのでしょうか?
「昇給の仕組み」を理解しなければ、納得できず、対策できないままモチベーションが下がるでしょう。結果として年収が上がらないわけです。先に書いたように、スキル、モチベーション格差が個人で解決できる問題であり、年収増加に一番影響するのならば、「ITスキル標準レベル5になる!」を目標に頑張ってはいかがでしょうか?
しかし、世の中にはレベル4で1000万円を超える人もいれば、600万円の人もいます。これは外部要因が影響しているからであり、外部要因とは、主に所属する企業の差です。個人の能力を発揮(成果が出せる、評価される)できる場の違いであるともいえます。私の感覚では、レベル3以上から外部要因による差が大きくなります。
次項からは、能力を発揮できる企業の選び方をお話しします。
スキルが同じでも企業によって年収のばらつきが生じるのは当たり前のことです。
ただし、ばらつきの理由を整理して転職活動に生かしている人は少なく、内定時に提示された年収に一喜一憂する人が多いように思います。では、ばらつきの上部に食い込むためには、どのような視点で企業選びをすればよいのでしょうか。
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