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» 2021年07月14日 05時00分 公開

「つぶしが利かない仕事」で、この先どうなるのか不安仕事が「つまんない」ままでいいの?(79)(2/3 ページ)

[竹内義晴(特定非営利活動法人しごとのみらい),@IT]

会社の外に出る

 では、「今、できること」とは一体何なのでしょうか?

 一言で言えば「会社の外に出る」ことです。つぶしが利かない仕事をしていて不安になるのは、スキルや人とのつながりが「社内だけ」「特定の分野だけ」と限定的で、「外との接点がない」からではないでしょうか。そこで、意識的に、会社の外に接点を作ってみるのです。

 例えば、社外の人と話をすると、自分が置かれている状況が客観的に見えるようになります。社内にいるときには見えなかったスキルも「少し見方を変えると、社外の○○に役立ちそうだな」と気付くかもしれません。転職するのなら、自分のスキルを客観的に理解した後でも遅くはないでしょう。

 また、アラフィフの私はいろいろな経験を積んできて、最近つくづく思うのです。「仕事をする上ではスキルも確かに大切だけど、それ以上に人と人とのつながりが大切なんだよな」と。

 「人のつながり」は、スキルがあろうがなかろうが、転職しようがしまいが、作ることができます。社外の人と意識的につながりを作っていくことで、今の環境にいながらも、未来に向けたキャリア形成に向けた準備ができるでしょう。

不安定な社会におけるキャリアデザイン

 ここからは、「どんな行動を起こしたらいいのか」について、幾つか具体的な例を挙げてみます。あなたの環境によって、できること、できないことがあるかもしれませんが、できそうなことから始めてみてください。

社外の人と「話す」機会を作る

 1つ目は、「社外の人と『話す』機会を作る」です。

 冒頭の「同僚が次々と転職していく」という菊池さんに、「30代前半は、ただでさえ次のキャリアを考える時期だから、悩みますよね。こういう悩みを話せる場があるといいんですかね?」と尋ねてみました。すると、「キャリアや転職のことは、会社だと深いところまでなかなか話せません。また、コロナ禍で飲み会もほぼなくなったので、ガス抜きがしにくいのかもしれませんね」とのことでした。

 社外の人と話すと、ガス抜きになるのと同時に、客観的な意見に触れて、自分の立ち位置が明確になります。また、社外には同じような境遇の人もいるでしょう。「一人じゃないんだ」と分かると、少しは安心できるかもしれません。

 幸いなことに、今ならオンラインで話すイベントがたくさん開催されています。まずは、同じような課題を抱えている「社外の人と話す」機会を作ってみるといいかもしれませんね。私が運営しているしごとのみらいでも、「話す」機会を作れたらいいなと思っています。

外に出てみる

 2つ目は、実際に「外に出てみる」です。

 先ほど「人のつながり」について触れましたが、人のつながりを作るのって、簡単なようにみえて、そう簡単ではありませんよね。一方で、何もしなければ、なかなかできないのも「人のつながり」の特徴です。

 そこで、もしあなたに今「関心があること」があったら、そういう場に行ってみるのはどうでしょうか?

 例えば、先の菊池さんは、以前から気になっていた近隣のコワーキングスペースに行ったそうです。すると、ひょんなことから行政機関の方と知り合いになり、菊池さんが以前から興味を持っていた方を紹介していただけるようになったそうです。

 もっとも、このような「偶然の出会い」を求めていっても、実際には、何も起きないことの方が多いかもしれません。

 それでも、あえて外に出てみませんか?

 実は、私はここ数週間、週に1回コワーキングスペースをはじめとした近隣のテレワークができる施設で、丸1日仕事をすることにしています。だからといって、特別な出会いがあるわけではありませんが、「なぜ、ここに、このような施設を作ろうと思ったんだろう?」「企画者の意図は何だろう?」「自分ならこうするな」のように考えると楽しいし、ネットで見ていた情報と実際は全く違うことも多く、気付きや発見も多くあります。心の刺激になります。

 また、気付いたこと、感じたことをブログやSNSに投稿すると、「○○の施設は良さそうですね」といったコミュニケーションのきっかけにもなっています。

 関心事は人によって違うので、「どこに行くか?」は人それぞれだと思いますが、「社内だけ」「特定の分野だけ」で悩んでいるのなら、意識的に外に出ることも大切なのではないかと思います。

複業をする(プロボノなども含めて)

 3つ目は、まだハードルが高いかもしれませんが「複業をする」を挙げてみます。

 既にお話したように。今の仕事を続けていても「つぶしが利かない」と感じる人の多くは、キャリアや人のつながりが限定的ということがあります。

 それならば、(会社で複業が許されているなら)複業をするといいのではないかと思います。必ずしも、複業に限らなくても、プロボノでも、NPOの活動でも、何でもいい。週に数時間でも「社外の仕事」に触れると、キャリアや人のつながりが増えます。

 また、自分では「つぶしが利かない仕事」だと思っていても、社外の人から見たら、直接的なスキルだけではなく、仕事に付随する「仕事の進め方」や「コミュニケーションの仕方」などが役に立つことも多くあります。

 実際、私も今、他社に所属しながら、複業として私のプロジェクトに関わってくれているメンバーと一緒に仕事をしていますが、直接的なスキルもさることながら、ITツールの使い方や仕事の進め方など、ちょっとしたことでとても助けられています。

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