先行きの見通しが立ちにくい今、限定的な仕事をしていると、この先のキャリアが描けず、不安になりますよね。
同期が続々と転職しているんですよね。世の中では「これからの働き方」などと言っているのに、同じ職場でずっと働いていると新しいスキルが身に付きにくいから、みんな焦っているみたいです。不安なのかもしれません
私が運営しているNPO法人しごとのみらいのグループウェアに、仲間の菊池さん(仮名)が書き込んでくれたつぶやきです。
同じ会社で同じ仕事をずっとしていると、若いころはやりがいがあったのに、経験を重ねるにつれて、「スキルを生かせる範囲が限定的」「他の仕事へのキャリアチェンジが難しい」「社内でしか通用しない」といった課題が見えてきます。俗な表現では「つぶしが利かない仕事」とでもいいましょうか。
自分の市場価値を客観的に見て、身に付けてきたスキルが特定の会社や分野でしか生かせないと気が付いたとき、「このままで大丈夫なのかな?」と不安を抱くのも仕方のないことかもしれません。
ましてや、コロナ禍になってから、時間や場所の制約のないテレワークをはじめ、「これからの働き方」といった情報を多く目にするようになり、ますます「このままじゃ、取り残されてしまう」「社会についていけない」と、焦りにも似た感情を抱くでしょう。
その結果、意識が転職に向いてしまうのも、自然な流れのように思います。
転職に「やりたいことをしたい」「働き方や勤務スタイルを変えたい」といった明確な理由があるのなら、転職を止める理由は何もありません。
でももし、「何となく不安だから」といった理由から転職を考えているのなら、いきなり会社を辞めてしまう前に、「他にできることがありそうだな」と、私は思っています。また、コロナ禍の今は平時と異なり、先行きの見通しが立ちにくい状況で、不確定要素も多くあります。転職が必ずしも、理想通りになるとは限りません。
それならば、先急いで会社を辞める前に、「今、できること」があるなら、やってみてはどうかな? と思うのです。
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