大日本印刷は、顧客が話す声から顧客の感情をAIでリアルタイムに解析し、その結果を接客オペレーターに通知するシステムを開発した。リモートで接客中のオペレーターに顧客の感情を伝えることでより効果的な接客、商談を支援するという。
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大日本印刷は2021年11月30日、顧客が話す声から顧客の感情をAI(人工知能)でリアルタイムに解析し、その結果を接客オペレーターに通知するシステムを開発したと発表した。大日本印刷は、リモートで接客中のオペレーターに顧客の感情を伝えることで「より効果的な接客、商談を支援する」としている。
大日本印刷によると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)をきっかけに接客や商談を非対面、非接触で行いたいという需要が拡大しているという。だが、リモートによる接客や商談は「接する相手の感情が分かりにくく、提供する情報や商談完了のタイミングなどが判断しにくい」といった課題があった。
大日本印刷が開発したシステムは、顧客が発した声の波形や間隔、周波数などをAIで解析し、「正直・本心」「高い期待」「興奮」「恥じらい」「確信が持てない・自信がない」「ストレス」「緊張」「強い興奮」「より高いストレス」の9種類の感情に分類する。
その後、分類した感情を基に「顧客の発言の信ぴょう性」や「現在の心境」といった情報に整形し、オペレーターの端末に表示する。オペレーターは接客しながら顧客の感情の状態を確認できるため、「より効果的な商談の進め方や情報提供の仕方を検討できる」という。
「このシステムは顧客との会話をリアルタイムで分析する。録音したり録画したりしなくてもいいため、個人情報の管理に配慮した運用が可能だ。他社のリモート接客システムや機器にも、仕様を変更することなく導入できる点もメリットだ」(大日本印刷)
大日本印刷は、リモートの接客や商談を支援する「DNP遠隔接客支援サービス」に今回開発したシステムを組み込み、2021年12月から感情解析を利用したリモート接客の代行支援を始める予定だ。
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