IDC Japanは国内クラウド需要調査の結果を発表した。クラウドの「導入のしやすさ」や「運用のしやすさ」「機能」に対する評価が高い一方で、期待の裏返しで「コスト」への不満が多かった。
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IDC Japanは2021年12月1日、国内クラウド需要調査の結果を発表した。それによるとクラウドを利用中の企業のうち、「クラウドファースト戦略」を採っている割合は66.4%となっており、IDC Japanは「IT予算は、従来型ITからクラウドに大きく変わった」と分析する。
調査は、クラウドを利用している、従業員100人以上の国内企業を対象に実施し、444社から有効回答を得た。
利用中のクラウドについて「導入時に期待していた効果は得られたかどうか」という基準で評価してもらったところ、「導入のしやすさ」「運用のしやすさ」「機能」といった点の評価が高かった。導入検討時に懸念を持つ企業が多い「セキュリティ」に対しても、評価は良かった。
パブリッククラウドとプライベートクラウドを比べると、パブリッククラウドの評価が高かった。
パブリッククラウドのSaaS(Software as a Service)は「良い」と回答した割合が45.6%で、「悪い」が5.8%。IaaS(Infrastructure as a Service)とPaaS(Platform as a Service)については「良い」が44.1%前後で、「悪い」は5.5%だった。
プライベートクラウドについては、ホスティング型のプライベートクラウド(HPC)で「良い」が34.9%、「悪い」が12.8%。オンプレミス型プライベートクラウド(EPC)は「良い」が32.4%、「悪い」が8.8%だった。
一方、導入後の評価で不満が多かったのは「コスト」だった。IDC Japanは「クラウドの利用に対してコスト削減に高い期待を寄せる企業が多い」と述べている。それ以外で評価が低かったのは、SaaSが「ユーザー部門の使い勝手」、IaaSとPaaS、HPCが「過去資産の継承性」、EPCが「障害」だった。
IDC Japanの松本 聡氏(ITサービス リサーチディレクター)は、「クラウドベンダーはクラウドの満足度を高め、さらなる利用を促すためには、製品とサービスに関わる特徴の理解を促し、運用の効率化を支援する必要がある」と述べている。
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