リンクアカデミーは、「企業のDX推進における課題」に関する調査の結果を発表した。経営者は「管理職のITリテラシー不足など『人的阻害要因』のせいで思うように進んでいない」と考えていることが分かった。
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リンクアカデミーは2021年12月16日、「企業のDX推進における課題」に関する調査の結果を発表した。それによると、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進を加速させたいと考える経営者は多いものの、「管理職のITリテラシー不足など『人的阻害要因』のせいで思うように進んでいない」と考えていることが分かった。
この調査は従業員300人以上の企業に勤める経営者と管理職を対象に実施し、計1106人(経営者500人、管理職606人)から有効回答を得た。
DXの推進に関する意識について聞くと「自社のDX推進を加速させ、業績アップを図りたい」と考えている経営者は86.8%だった。しかし、DXの進捗(しんちょく)状況については「全社的にDXが進んでいる」と回答した割合は23.2%にとどまった。リンクアカデミーは「DX推進が全く進んでいない企業が3割以上あり、DXへの意識は高いものの、実際にDXを推進する上での障壁があるようだ」と分析する。
DX推進を阻害する人的要素(人的阻害要因)について聞くと、経営者の35.8%が「管理職のシステム企画・推進・対応能力(ITリテラシー)不足」と回答した。他の要素では「経営トップの意思決定の遅れ」(27.4%)や「ベテランスタッフのシステム対応能力(ITリテラシー)不足」(11.4%)などが挙がった。
リンクアカデミーによると「DXを推進する鍵は管理職にあると考える経営者は多い」という。
経営者に「DXを推進するに当たって管理職の役割が重要か」と聞くと、89.2%が「とてもそう思う」「そう思う」と回答した。DX推進のために経営者が管理職に求めるスキルについては「プロジェクト推進力」(14.4%)や「データ分析力」(14.1%)を抑えて「IT関連の知識やスキル」(57.9%)との回答が最も多かった。
だが実際には「経営者が管理職に求めるスキルと、管理職の有するスキルに乖離(かいり)がある」とリンクアカデミーは言う。
管理職に「自社のDX推進計画を立案・推進するために必要なスキル」を持っているかどうか聞いたところ、「十分なIT活用スキルを持っていない」と回答した割合は63.4%、「ITサービスやIT技術関連の知識を持っていない」と回答した割合は63.9%だった。
こうした課題について経営者はどんな対策をしているか聞いたところ、「管理職向けIT研修を実施している」と回答した割合が最も多く、37.8%(複数回答、以下同)。次いで「全スタッフ向けIT研修」(34.4%)、「IT資格取得などIT自己研さんの推奨」(28.2%)、「社内IT人材の配置変更」(24.6%)だった。
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