年末年始恒例、「2022年にサポートが終了する」Microsoft製品――Windows 10は? IEは?山市良のうぃんどうず日記(222)

毎年この時期になると、筆者の連載で必ず取り上げるのが、この先1年でサポートが終了するMicrosoft製品や技術に関する情報です。2022年も多くの製品でサポートが終了します。

» 2021年12月28日 05時00分 公開
[山市良テクニカルライター]

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「山市良のうぃんどうず日記」のインデックス

山市良のうぃんどうず日記

 本稿では、筆者が気になるMicrosoftの製品や技術についてのみ取り上げます。完全な一覧は「Products Ending Support in 2022」で確認してください。


Windows 10

 「半期チャネル(Semi-Annual Channel、SAC)」の「Windows 10」は、以下のバージョンとエディションのサポートが2022年に終了します。

製品 サポート終了日
Windows 10 バージョン1909(EnterpriseおよびEducationのみ) 2022年5月10日
Windows 10 バージョン20H2(HomeおよびProエディションのみ) 2022年5月10日
Windows 10 バージョン21H1(全てのエディション) 2022年12月13日

 Windows 10は「2025年10月14日」までサポートされることが発表されていますが、利用し続けるには2022年中に「Windows 10 バージョン21H2」以降に更新する必要があります。

 なお、Windows 10 SACはこれまで半年に1回、メジャーバージョンがリリースされてきましたが、バージョン21H2以降は1年に1回にリリースサイクルが緩和されることが発表されています(バージョン22H1はリリースされず、次は2022年後半の「バージョン22H2」になります)。

 長期サービスチャネル(Long Term Servicing Channel、LTSC)のWindows 10 Enterpriseでサポートが終了する製品はありません。

Internet Explorer 11

 「Products Ending Support in 2022」ページの一覧にはありませんが、一部のLTSC版OSを除いて、「Internet Explorer(IE)」のデスクトップアプリとしてのサポートが「2022年6月15日」に完全終了します。

 IEのコンポーネントが削除されるわけではありませんが、2022年6月15日以降「iexplore.exe」を実行しても、デスクトップアプリとしてのIEは起動しなくなり、代わりに「Microsoft Edge」が起動するようになります。「Windows 11」はリリース時点からそのような動作をします。

Windows Server

 Windows Server LTSCで2022年中にサポートが終了する製品はありません。

 Windows Server SACについては、「Windows Server, version 20H2」のサポートが「2022年8月11日」(標準の18カ月サポートに加えて3カ月延長されています)に終了します。影響のあるユーザーは少ないと思いますが、利用している場合はご注意ください。

 Windows Server SACは「Windows Server 2022」の製品完成と同時期に廃止が発表されており、Windows Server, version 20H2のサポート終了を最後に、サポートされるWindows ServerのSACは存在しなくなります。

SQL ServerのESU

 Microsoftは「SQL Server 2008/2008 R2」「Windows Server 2008/2008 R2」「Windows 7」に対して、サポート終了後も最大3年間のセキュリティ更新プログラムを提供する「拡張セキュリティ更新プログラム(Extended Security Update、ESU)」(オンプレミスは有料、Azureは無料)を提供しています。

 SQL Server 2008/2008 R2に対する最後の3年目のESUは「2022年7月12日」で終了し、それ以降、セキュリティ更新プログラムは提供されなくなります。

 なお、オンプレミス向けのESUは3年で終了しますが、Microsoft Azure上のSQL Server 2008/2008 R2インスタンスについては4年目のESUが提供されることが発表されています。この特例措置は、「2023年1月10日」に3年目のESUが終了するMicrosoft Azure上のWindows Server 2008/2008 R2インスタンスにも適用されます。詳しくは、以下の記事をご覧ください。

System Center 2012/2012 R2

 「System Center 2012/2012 R2」に含まれるシステム運用管理製品(Virtual Machine Manager、Operations Manager、Data Protection Manager、Configuration Managerなど)が、「2022年7月12日」にサポートを終了します。利用中の場合は、管理を継続するために、後継バージョンに移行する必要があります。

 System Centerの最新バージョンは「System Center 2019」ですが(一時期SACが導入されましたがすぐに廃止されました)、Configuration Managerは含まれません。Configuration Managerは、Microsoft Endpoint Managerの製品として「Microsoft Endpoint Configuration Manager」としてCurrent Branch(モダンライフサイクル)で提供されるようになりました。

 なお、2022年前半には次の「System Center 2022」のリリースが予定されています。

Azure AD Connect v1.x

 オンプレミスのActive Directoryドメインサービスと、クラウドサービスであるAzure Active Directory(Azure AD)とのディレクトリ同期を行うためのコネクターである「Azure AD Connect」のバージョン1.xのサポートが「2022年8月31日」に終了します。

 既に、2021年8月に後継のバージョン2.xがリリースされていますが、システム要件が変更されているので注意が必要です。バージョン1.xは「Windows Server 2012」以降で動作しましたが、バージョン2.xは「Windows Server 2016」以降が必要です。詳しくは、以下の記事を参考にしてください。

.NET(.NET Core)

 .NET Frameworkの後継であり、クロスプラットフォームの「.NET」(旧称、.NET Core)は、以下のバージョンが2022年内にサポートを終了します。また、.NET Core 3.1に依存するPowerShell 7.xについても2022年内にサポートが終了しますが、PowerShell 7.xには自動更新機能があるので、それまでに適切な後継バージョンに自動的に更新されるはずです。

製品 サポート終了日
.NET Core 3.1(LTS) 2022年10月13日
.NET 5(Current) 2022年5月8日
PowerShell 7.x 2022年12月3日

 Microsoftは毎年11月に.NETのメジャーバージョンをリリースしています。偶数番号(現在の.NET 6、次の.NET 8など、最初の.NET Core 3.1は例外的にLTS)、つまり2年ごとにリリースされるものはLTS(Long Term Support:長期サポート)リリースであり、3年間のサポートが提供されます。それ以外の奇数バージョンはCurrentリリースであり、18カ月でサポートが終了します。詳しくは、以下のページで確認してください。

 なお、.NETのライフサイクルは、Windowsに標準搭載されている.NET Frameworkに影響はありません(適切にWindows Updateなどで更新されていれば、OSのサポート期間中、同様にサポートされます)。

筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP 2009 to 2022(Cloud and Datacenter Management)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『Windows版Docker&Windowsコンテナーテクノロジ入門』(日経BP社)、『ITプロフェッショナル向けWindowsトラブル解決 コマンド&テクニック集』(日経BP社)。


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