paizaは40歳以上のITエンジニアの転職動向に関する調査結果を発表した。40歳以上の転職先ではインターネット企業が圧倒的に多く、比較的小規模の企業が目立つ。技術力と管理能力を求めて、40歳以上まで幅を広げて人材を探しているためだ。
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paizaは2022年1月24日、40歳以上のITエンジニアの転職動向に関する調査結果を発表した。それによると、40歳以上の転職先ではインターネット企業が圧倒的に多く、比較的小規模の企業が目立つ。ベンチャー企業が、技術力と管理能力を求めて、40歳以上まで幅を広げて人材を探しているためだとみられる。
今回の調査では、paizaが運営するITエンジニア向けの転職・就職・学習プラットフォーム「paiza」に登録しているITエンジニアのうち、40歳以上のITエンジニアの転職動向を調べた。
同社が「paiza転職」を始めたのは2013年。paiza転職を利用して応募した40歳以上の人の割合は、2013年の8.3%から徐々に増加し、2021年には15.7%を占めた。採用決定者に占める40歳以上の割合も、2013年の0%から2021年には16.4%に増えた。
2019年から2021年にpaiza転職を通して採用されたエンジニアの年収構成を見ると、20歳代では95.4%が600万円未満、30歳代も77.7%が600万円未満だった。
それに対して、40歳以上では600万円未満が52.4%、600万〜700万円が31.0%、700万円以上が16.7%だった。
採用されたエンジニアのスキルを見ると、40歳以上では、AI(人工知能)や画像解析など将来の商業化に向けて基礎研究に携わる「研究開発」(21.4%)やプロジェクトマネジメント(57.1%)、マネジメント(51.8%)の経験者が、30歳代の割合の2倍以上と目立つ。
同社によれば特にマネジメント経験の有無が年収に影響を及ぼしているようだ。paiza転職を通じて採用された40歳以上のITエンジニアのうち、マネジメント経験が3年以上ある人は、マネジメント経験が3年未満の人と比べて、年収700万円以上の割合が1.6倍高かった。
こうした結果を受けて、paizaの取締役を務める升水啓太氏は、「ITエンジニアの35歳定年説は以前から語られているが、paiza転職の登録者の動向を調べると状況は異なることが分かった。最近は管理職ではなくプレイヤーやプレイングマネジャーとして40歳以上のITエンジニアを採用したいと考える企業が増えている。背景には、高い技術力を持つエンジニアの不足がある。昨今、インターネット企業やデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進している各種事業会社ではエンジニア組織の内製化を進めており、従来の中途採用のターゲットだった20歳代や30歳代だけでは足りず、能力の高い40歳以上を採用する動きが加速している」と述べている。
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