パーソルテクノロジースタッフは、中小企業を対象に実施した人材活用に関する意識調査の結果を発表した。34.5%がフリーランス人材にフルタイム出勤を希望しているなど偽装請負発生のリスクがあることが分かった。
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パーソルテクノロジースタッフは2022年3月7日、中小企業を対象に実施した人材活用に関する意識調査の結果を発表した。それによると、フリーランスに「決まった場所と時間で働いてほしい」と考える企業もあることが分かった。
この調査は、関東、東海、関西地域の従業員数300人未満の企業で働くIT人材の採用や発注に携わる人を対象に実施し、300人から有効回答を得た。
社員やアルバイトとは違い、フリーランスとは業務委託契約を結ぶことになる。雇用契約であれば労働者の労働そのものに対価が発生する。業務委託契約の場合、請負であれば成果物に、委託や準委託であれば取り決めた仕事(事務処理など)を実施することで対価が発生する。この違いを認識せず、労働時間や作業場所、業務の遂行方法などを発注する企業が指定してしまうと「偽装請負になってしまうリスクがある」とパーソルテクノロジースタッフは指摘する。
このような業務委託契約と雇用契約との違いについて、「しっかりと理解している」と回答した割合は53.0%、「何となく理解している」は41.0%だった。フリーランスを活用したことがある企業に限ると「しっかりと理解している」は68.2%、「何となく理解している」は27.3%。
フリーランスに期待することについて聞くと「技術的な点でのアドバイスをしてほしい」と回答した割合が65.5%(複数回答、以下同)で最も高く、次いで「社員への刺激や若手育成などにも関与してほしい」(45.2%)、「フルタイムで出勤してほしい」(34.5%)、「気軽に相談できるように常駐してほしい」(29.8%)、「勤務時間を固定して働いてほしい」(22.6%)が続いた。
フリーランスを活用する際に事前に取り決めなければならないと思うことでは「対価」が最も多く、65.3%(複数回答、以下同)。「機密情報、個人情報、秘密保持などの取り扱い」(64.0%)、「委託する業務内容」(64.0%)、「契約期間」(62.7%)、「成果物や納品物の形態」(61.7%)が上位に挙がった。
パーソルテクノロジースタッフによると「フリーランスを活用するに当たって業務委託契約書の作成は必須ではないため、本来こうした項目について書面で取り決める義務はない。ただし、委託者と受託者との間のトラブルに備えて、多くの企業では業務委託契約を締結している」という。
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