グローバルに活躍するエンジニアを紹介する本連載。今回はセキュリティエンジニアのBen(ベン)氏にお話を伺う。ニュージーランドの小さな町で生まれた少年がセキュリティに興味を持ったきっかけとは何だったのか。
世界で活躍するエンジニアにお話を伺う「Go Global!」シリーズ。今回、ご登場いただくのはセキュリティエンジニアのBen(ベン)氏だ。グローバル規模でセキュリティに関わる同氏だが、仕事として興味を持ち出したのは社会人になってからだったという。
聞き手は、アップルやディズニーなどの外資系企業でマーケティングを担当し、グローバルでのビジネス展開に深い知見を持つ阿部川“Go”久広。
阿部川“Go”久広(以降、阿部川) 出身はどちらですか。
ベン氏 ニュージーランドにあるウイントンという小さな町で生まれました。人口2000人ほどで、この地名を聞いたことがないというニュージーランドの人も多いと思います。
阿部川 大学に入学するまではそちらで過ごされていたんですよね。小さいときはどんなお子さんでしたか。
ベン氏 とても人見知りでした。ただ、慣れてしまえば「わんぱくでうるさい子」になっていたと思います。最初は学校に行くのが嫌でしたが、先生や友達と仲良くなった後は進んで学校に行くようになりました。
阿部川 なるほど。当時はどんな遊びをしていましたか。
ベン氏 おしゃべりが大好きでした。運動も好きで、フィットネスやアスレチックなどで遊びました。ただ、グループでやるスポーツはそれほど得意ではなかったので1人でもできる遊びをよくしていました。
阿部川 勉強の方はどうでしたか。やはり数学が得意でしたか。
ベン氏 「これ」というものはないですね。実はニュージーランドの小学校は算数や理科といったきっちりと決まった教科(という概念)がなく、その日、その日でやることが違いました。今日は英語、次の日は数学といった感じです。今思えば、それは学びにコントラストを付けることが目的だったのだろうと思います。
ですので、生徒は10歳くらいまで「具体的にこれを学んでいる」とは認識していませんでした。あえて言うなら……PCについて学ぶことは好きでした。
阿部川 えっ、既に小学校でPCについて学んでいたのですね。
ベン氏 はい。まだ1人に1台といったわけではなく、クラスごとにコンピュータ室に行ってそこで学ぶというやり方でした。PCは確かApple製だったと思います。「Apple II」やディスプレイ一体型のもの、フロッピーディスクが使えるものなど。カラフルな「iMac」もありましたね。
阿部川 ちょうど私がAppleにいたころです。懐かしい気持ちになりました。ありがとうございます(笑)。
ベン氏 どういたしまして(笑)。そのうち家でもPCを使うようになって、12歳のころは「QBasic」を習っていました。授業で習うだけだと物足りなくて。今のようにインターネットはありませんでしたから、情報源は限られていました。だから雑誌やコンピュータショップ、教材、書籍など手に入れられるもの使えるものは全て使って学びました。よく学んだと思いますし、学ぶことがとても楽しかったです。
阿部川 「学ぶことは楽しい」と感じられるのは素晴らしいことです。
ベン氏 ええ。ただ、PCは両親の部屋にあったので勉強するのは大変だったんです。普段は両親がPCを使っているので、夜中寝静まったころこっそり忍び込んでPCを拝借し、自分の部屋に持ってきて勉強していました。両親が気付かないうちに戻さないといけなかったから(笑)。
笑ってしまいました。しかし、すごいですよね。ゲームがしたいといった理由であれば「あるある」と思うものの、勉強したいがためにこっそり持ち出すとは……。「勉強したいから貸してほしい」と伝えればいい気もしますが、自分の昔のころを思い出すと、親に何かをお願いするのは確かに恥ずかしいというかなんというか、素直になれない気持ちはあったように思います。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.