日本とポーランドを行き来しつつ、台湾やベルリンのメンバーとさまざまな言語を用いて、さまざまなプロジェクトに携わる。してみたいこと、興味があることが止まらないモニカさんは「全く想像も付かない未来」を楽しみにしている。
国境を越えて活躍するエンジニアにお話を伺う「Go Global!」シリーズ。今回も「ニューロマジック」で多国籍チームを率いるMonika Weissmann(モニカ・ヴァイスマン)さんにお話を伺った。さまざまなことに興味を持ち、チャレンジを何よりも楽しむモニカさんがいま一番興味のある分野、それは「食」の科学や文化だった。
聞き手は、アップルやディズニーなどの外資系企業でマーケティングを担当し、グローバルでのビジネス展開に深い知見を持つ阿部川“Go”久広。
阿部川“Go”久広(以降、阿部川) ニューロマジックとの出会いは何でしたか。
Monika Weissmann(モニカ・ヴァイスマン、以降モニカさん) 柔軟性を持って働きたかったのでフリーランスや個人事業主をしていたのですが、日本の企業で正社員として仕事をしてみたいという思いもありました。業務委託の仕事をしていたときは、自らネットワーキングして仕事をもらったり、声を掛けたりしていたことが多かったのですが、初めてエージェントを使って職場を探してみたんです。面接を受けたり履歴書を書いたり、そういう経験もちょっとしてみたいなーと思って。
阿部川 ハハハ。“してみたいなー”と思ったんですね。
モニカさん はい。ただ、私がお役に立てるIT系の会社は大体東京にあります。私は神奈川に住んでいるので、勤務時間に加えて2〜3時間の通勤が毎日となるとすごく大変だなあ……と。その点、ニューロマジックは完全テレワークで、私が探していた理想の働き方だと思いました。
阿部川 満を持して転職したら良い会社だった。
モニカさん 転がる「転」じゃなくて「天国」の「天」でしたね(笑)。
阿部川 今はほぼ在宅ですか。
モニカさん はい。オフィスは1回しか行ったことがなくて、リアルに顔を合わせたことがある人は5〜6人しかいません。
阿部川 (Zoomの壁紙の名刺情報を読み上げて)チームリーダー、ビジネスデザイナー、ストラテジストと書かれています。チームは何人ぐらいでどんな仕事をしているのですか。
モニカさん チームは私を含めて5人です。私がポーランド人、メンバーは台湾人と米国人とドイツにいるベネズエラ人で、いろいろな言語で話します。
メインでやっているのは、サービスデザインや自社メディアや自社のマーケティング、社内の新規サービス開発などです。全員が、1つのことだけではなくニューロマジックのいろいろなところに関わっています。よく冗談で「社内での肩書は何でも屋です」と言っています(笑)。
阿部川 さまざまな国籍のメンバーで、さまざまなプロジェクトに関わっている中で、大変なことや難しいことも多いのではないですか。
モニカさん そうですね、全員が別々のことをやっているのでみんなの状況の把握やサポートは大変ですけれど……、難しくはないです。チャレンジですね。
阿部川 逆に楽しいことは何でしょう。
モニカさん チャレンジが多いことですね。勉強しながらいろいろなチャレンジをして、実験をして、検証したり改善したり。そういうのが楽しいです。新しいことを考えて、会社のためにこうした方がいいとか、こう変えた方がいいとか、こういう例を導入したらどうだろうかとか。
ニューロマジックは「誰が言っているか」よりも「何を言っているか」を大事にする会社なので、意見を言って批判されることはありません。もちろん意見に対して思うことはあるでしょうけれど、そういうときは丁寧に「なぜそう思うのか」と尋ねるのでやり方が優しい。でも適切なフィードバックになっていると思います。
リモートなのでコミュニケーションの問題が起きないように皆さん非常に気を付けているように感じます。気を付けるといっても何もしゃべらないわけではなく、素直に意見を言う。「こういうことだよ」と話すと、相手は「こういう捉え方があったのか」って。そういうコミュニケーションの取り方ができる本当にすてきな会社だな、と思います。
この話、とても重要だと思います。リモートでのコミュニケーションはしぐさや顔色で相手の考えを察することが難しいため、どんどん相手に対してメッセージを出す必要があります。そのときに「相手の出方を待つ」というスタイルにしてしまうと話が進まなくなる気がします。相手を思いつつ、率直に意見を言い合う。素晴らしいコミュニケーションスタイルだと思います。
阿部川 テレワークで最近問題になっているのは、同じプロジェクトに携わっているなどの目的があると関係性を築きやすいけれど、曖昧な人間関係ができにくくなっていること。たまたますれ違ってあいさつして知り合いになるとか、まだ目的がないけれども知り合いになるとか、そういうことがなかなかできない。
そうすると、決まったことだけのための人間関係にどんどんシュリンク(縮小)する傾向があると思うんです。まさにコロナ禍で新しい会社に飛び込んだモニカさんはその辺りで苦労したことや工夫していることはありますか。
モニカさん 確かに。在宅勤務の残念なところは雑談タイムがあまりないことです。私が入社したとき、他のメンバーはオフィスで一緒に働いたことがあるので一緒の話題もお互い分かっている状況でした。
ニューロマジックは社内のコミュニケーションを図るために自由参加のオンライン親睦会(TGIF)を開いているので、私は積極的に参加したり自分から声を掛けたりしています。他にも社内メンバーだけのミーティングのときにもちょっとした雑談を入れるなどしてお互いを知ろうと心掛けています。
ただ、こういうやり方は性格によって向き不向きがあるのかもしれません。私は人とつながりたかったので、いろいろな人に声を掛けたりしたのですが、こういう性格じゃない人はちょっと大変かもしれないですね。自ら話をする人でなければ、友達作りとか関係作りは難しいですね。
阿部川 そこで会社は仕組みとしてTGIFを作ったりしているんですね。
モニカさん はい。あと月ごとの誕生会やランチ会もあります。参加は自由ですが、やはりみんな家にいて人恋しいのか参加する人が多いです。あと年に1回忘年会や納会も開かれます。この間の年末も、全国各地にいる社員に会社がオードブルを届けてオンラインで集まる納会をやりました。そういうチームの垣根を越えてみんなで交流する機会を積極的に設けてくれます。
初めて納会に参加したときに、たぶん半分以上の参加者と話しました。普段は仕事で関わらない人も、「アイコンでしか見たことなかった人」と話せるチャンスなので、自己紹介しながら雑談したりしました。そういう機会があってうれしいです。
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