学生向けイベントということもあり、就職に関する質問も多く寄せられた(だが、ひろゆき氏は就職活動はおろか、就職したこともない)。
IT企業に就職したい場合、資格取得とものづくりの経験、どちらが大切でしょうか
ものづくりの経験じゃないかなと思うんですけども
「これ、僕の偏見なんですけど、『何かの資格を取っているプログラマーは、基本的にプログラムが嫌いなやつである』。作るのが好きな人って、資格を取ろうってならないんですよね。資格を取って就職に役立てようみたいなことをプログラム好きが思い付く瞬間が僕にはちょっと分からなくて。何か資格を持っている=プログラムが嫌いなんだろうなぁ、と。仕事のためにわざわざ覚えたんだろうなって」
就職先についての質問も寄せられた。
大手SIerとメガベンチャーから内定をもらいました。ひろゆきさんのお勧めはどちらですか
大手SIerでクライアント仕事をするのであれば、ベンチャーで自社サービスやってるところに行った方が幸せなんじゃないかなと思いますけど
「結局SIerって、発注者がこの予算内でやってねっていう中で、いかに手を抜いて作るかなんですよね」
顧客から請け負うSIerの開発は、顧客が要求する仕様に基づいて、指定されたツールを用いて開発するものである。システムが将来ビジネスとして成長したときのことは顧客が責任を持つことになる。
一方、ベンチャーが行う自社開発のサービスは、仕様から使用するツールまで自由に決められる。また将来のビジネスの成長を能動的に考慮して、開発に臨むことになる。そのため、「自社サービスの方が、割と多くのものが学べて、コスパ良くモノを作ることができるため、その後の人生も楽になるんじゃないかなと思うんですけど」とひろゆき氏は考えを述べた。
SIerの良い点は「ベンチャーは開発したサービスがダメだと赤字が続いてつぶれる。一方SIerは、他社からお金をもらって開発するからつぶれない。生活の安定を求めるなら、SIerではないか」とのことだ。
今後、SIerの需要はどうなっていくのでしょうか
世界的には減っていくけれど、日本は多いままなんじゃないかなって気がする
「日本以外の国では、自社にエンジニアを抱えて自分たちでモノ(システム)を作ったり、パッケージソフトを買ってきて(改造せず)まるまる入れますといったりする会社が多いんですけど、日本って、自分たちのビジネスのやり方をパッケージソフトに合わせるのではなく、自分たちのビジネスに合わせてそれを改造するというのをSIerにやらせる文化が強い気がするんですよ。長期的に見ると、自社でエンジニアを抱えてやった方がうまくいくと僕は思うんですけどね……」
ひろゆき氏は最後に、イベントを聴講しているエンジニア志望の学生たちにエールを送った。
「漫画家を目指すって言っているのに漫画を書いてない人って結構いるんですよね。漫画家になりたいんだったら、まず漫画を書いて、『書いたよ』って見せるものだと思う。それと同じで、エンジニアになりたい人はまずサイトかアプリを作った方がいいと思うんですよね。作ってみて『これ作ったよ』って言うのって、『エンジニアになりたい』ではなく、もうそれで『エンジニア』なんですよ。エンジニアになりたければすぐなれるので、さっさとコード書いてください」
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