本連載は、PowerShellコマンドレットについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は「Set-AzureADUser」コマンドレットを解説します。
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本連載では、Windows PowerShellの基本的なコマンドレットについて、基本的な書式からオプション、具体的な実行例までを分かりやすく紹介していきます。今回は「Azure Active Directory」(Azure AD)に作成されたユーザーの属性を変更する「Set-AzureADUser」コマンドレットです。
「Set-AzureADUser」は、PowerShellを利用してAzure ADユーザーの属性を変更するコマンドレットです。Azure ADユーザーの属性はブラウザ(Azure AD管理センター)からも変更できますが、複数のユーザーに対しては、Set-AzureADUserコマンドレットを利用することで簡単に一括変更できるようになります。
なお、Set-AzureADUserコマンドレットは、本連載第30回で解説した「Connect-AzureAD」コマンドレットを利用してAzure ADに接続していることが前提条件になります。
オプション | 意味 |
---|---|
-ObjectId | 属性変更するAzure ADユーザーを指定する |
-AccountEnabled | ユーザーの有効/無効を設定する。省略可能 |
-JobTitle | ユーザーの役職属性を設定する。省略可能 |
-UsageLocation | ユーザーの利用場所属性を設定する。省略可能 |
Set-AzureADUserコマンドレットでは、「-ObjectId」オプションで設定を変更するユーザー名(UPN)を指定し、さらに「-AccountEnabled」オプションを指定することで、無効なユーザーを有効化させることができます(画面1)。
新しく入社するユーザーを事前に作成しておき、入社日に合わせてユーザーを有効化するといった運用で利用するケースが考えられます。
Set-AzureADUser -ObjectId <ユーザー名> -AccountEnabled $true
ユーザー有効化設定を複数のユーザーに対してまとめて行いたい場合もあるでしょう。その場合は、本連載第31回で解説した「Get-AzureADUser」コマンドレットで複数のユーザーを指定して、Set-AzureADUserコマンドレットで有効化します(画面2)。
なお、Get-AzureADUserコマンドレットでユーザーを指定した場合は、「-ObjectId」オプションを指定する必要はありません。
Get-AzureADUser -Filter "JobTitle eq '新入社'" | Set-AzureADUser -AccountEnabled $true
Azure ADユーザーの属性の中から役職属性に当たるJobTitle属性を変更する場合は、「-JobTitle」オプションを指定して、続けて新しい属性値を指定します(画面3)。
なお、属性変更に利用できるオプションには、役職属性を変更する-JobTitleオプション以外にも、部署属性を変更する「-Deparment」属性、利用場所属性を変更する「-UsageLocation」属性などがあります。
Get-AzureADUser -Filter "JobTitle eq '新入社'" | Set-AzureADUser -JobTitle "正社員"
Azure ADユーザーに「Microsoft Office 365」などのライセンスを割り当てる際、設定が必須となる属性に「利用場所」があります。この利用場所属性を設定する場合は、「-UsageLocation」オプションを利用します(画面4)。利用場所属性は「国/地域」を2文字のコードで表現します。
Get-AzureADUser | Set-AzureADUser -UsageLocation "JP"
株式会社エストディアン代表取締役。1997年からマイクロソフト認定トレーナーとして、Azure Active DirectoryやMicrosoft 365 Defenderなど、クラウドセキュリティを中心としたトレーニングを提供している。2007年からMicrosoft MVP for Enterprise Mobilityを連続して受賞。なお、テストで作成するユーザーアカウントには必ずサッカー選手の名前が登場するほどのサッカー好き。
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