本連載は、PowerShellコマンドレットについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は「Get-AzureADUser」コマンドレットを解説します。
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本連載では、Windows PowerShellの基本的なコマンドレットについて、基本的な書式からオプション、具体的な実行例までを分かりやすく紹介していきます。今回は、「Azure Active Directory」(Azure AD)に作成されたユーザーを参照する「Get-AzureADUser」コマンドレットです。
「Get-AzureADUser」は、PowerShellを利用してAzure ADユーザーを参照するためのコマンドレットです。Azure ADのユーザー一覧はブラウザから参照する方法が一般的ですが、Get-AzureADUserコマンドレットを利用することで、特定の条件に合致するユーザーだけを簡単に参照できるようになります。
なお、Get-AzureADUserコマンドレットは、本連載第30回で解説した「Connect-AzureAD」コマンドレットを利用してAzure ADに接続していることが前提条件になります。
オプション | 意味 |
---|---|
-ObjectId | 特定のAzure ADユーザーのみを表示する。省略可能 |
-SearchString | 特定のキーワードを含むAzure ADユーザーを表示する。省略可能 |
-Filter | 特定の条件を満たすAzure ADユーザーを表示する。省略可能 |
オプションを指定せずにGet-AzureADUserコマンドレット実行した場合、Connect-AzureADコマンドレットで接続したディレクトリに作成された全てのユーザーを表示します(画面1)。
Get-AzureADUser
Azure ADユーザーの一覧ではなく、特定ユーザーの属性情報を詳細に確認する場合は、「-ObjectId」オプションを利用してユーザー名(UPN)を指定します(画面2)。
Get-AzureADUser -objectId <ユーザー名>
Azure ADユーザーの属性に設定された値の中から特定のキーワードを持つユーザーだけを抽出して表示する場合は、「-SearchString」オプションに続けてキーワードを指定します(画面3)。
-SearchStringオプションでは、ユーザーの「DisplayName」「UserPrincipalName」「Country」「Department」など、広範な属性からキーワードを検索できます。
Get-AzureADUser -SearchString "IT"
Azure ADユーザーの属性に設定された値の中から特定の値を持つユーザーだけを抽出して表示する場合は、「-Filter」オプションを利用します(画面4)。-SearchStringオプションとは異なり、-Filterオプションはどの属性の値であるかを正確に条件指定できます。
条件を指定する際は「"属性 演算子 '値'"」のように記述します。演算子には、「eq」「ne」「ge」「gt」「le」「lt」などが利用できます。
Get-AzureADUser -Filter "JobTitle eq 'IT管理者'"
なお、-Filterオプションでは「〜が含まれる場合」を示すmatch演算子が利用できません。「〜が含まれる場合」を検索したい場合は、「Where-Object」コマンドレットを続けて、「Get-AzureADUser | Where-Object {$_.JobTitle -match "IT"}」のように記述します。
株式会社ソフィアネットワーク取締役。1997年からマイクロソフト認定トレーナーとして、Active DirectoryやActive Directoryフェデレーションサービス(AD FS)など、ID管理を中心としたトレーニングを提供している。2007年からMicrosoft MVP for Directory Servicesを連続して受賞。なお、テストで作成するユーザーアカウントには必ずサッカー選手の名前が登場するほどのサッカー好き。
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